最近、日本社会は極端なまでに潔癖になっているように感じます。特にコロナ禍以降、その傾向が一層強まったようです。この傾向が強く感じられたのは、実業家でSDN48のメンバーでもある光上せあらさんがブログで綴った、病院内カフェでのサンドイッチ買い取り騒動でした。
子どもがサンドイッチに触ってしまう
光上さんは2024年3月5日に公開したブログで、3歳の娘を連れて病院に行った際、待ち時間に娘が退屈して暴れ始めたと説明。そこで待ち時間をつぶし、娘さんを満腹にするために、カフェで飲み物や食べ物を注文します。しかし、光上さんが注文している隙に、娘さんがサンドイッチに触ってしまいました。事前に触らないように注意していたが、娘がそれを守らずに触ってしまったのだそうです。
サンドイッチを買い取るよう要求される
光上さんは、娘さんが触ったサンドイッチを元の場所に戻したが、その後、店側からサンドイッチ4個全てを買い取るよう求められます。光上さんは自ら言い出せず、店からの要求に従い全て買い取りました。この出来事に対し、光上さんは責任を感じ、普段から子どもが物に触れることが日常茶飯事であり、それが自分の価値観にも影響を与えて、娘のした事に対して鈍感になっている自身を「バグってしまった」と表現しました。
社会の価値観に疑問
しかし、光上さんがアップしたサンドイッチの画像を見ると、1つは形が崩れていますが、残り3個は崩れておらず、しかもラップに包まれていました。子どもが直接触れたわけではないのに、全買い取りは過剰ではないかと感じます。子どもが親の指示に逆らうのは珍しいことではなく、叱られる中で社会のルールを学ぶのは普通でしょう。いつから子どもが店の商品に触れるだけで全買い取りという非寛容な社会になったのか筆者は疑問に思います。
子育てを支援する社会へ
子育て中の母親は大変です。子供がいたずらをするたびに心が休まる暇がありません。その上、社会が非協力的であれば、子育てをする意欲が失われるでしょう。それは結果として少子化を加速する招くことに繋がります。今回のカフェの対応については、もちろん、カフェ側にも、やむを得ない事情はあるのでしょうが、もっと柔軟な対応ができなかったのかと思います。
働く母親を支援する社会を
光上さんは自らを責め、カフェに対しても謝罪の意を示しました。ですので、これは無関係な第三者の私見ですが、カフェが同情的な対応をしていれば、光上さんは自責の念や娘への叱責を和らげることができたかもしれません。光上さんのような働く母親が、子育てと仕事の両立を図る中で、社会がより理解ある支援を提供することが重要で、柔軟な対応や同情的な姿勢が、子育てのストレスを軽減し、母親が自信を持って社会に参加できるようになります。子育て支援の一環として、店舗側も親子が安心して利用できる環境を提供することが求められるのではないでしょうか?
まとめ
今回の事件は、潔癖すぎる社会の一例として捉えられると思います。子どもが自然に成長する中で、小さな過ちやミスは避けられないものです。それに対して過度な反応や非寛容な態度は、母親の子育てにおけるストレスを増大させるだけでなく、社会全体の健全な発展にもマイナスの影響を与えかねません。結果として、より包括的で理解ある社会を築くためには、個々の対応だけでなく社会全体の考え方や文化の見直しが必要とされるでしょう。
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