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トラウマ体験は世代を超えて[遺伝する可能性がある]

2024年6月21日


スキッパーキ

 

戦争や紛争などで受けた肉体的・精神的なトラウマは、当事者だけでなくその子孫にも影響を及ぼすのでしょうか?この疑問に答えるために行われたマウスを使った実験により、トラウマが遺伝する可能性が示されました。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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マウスを使った実験

ネズミで人生を変えた李斯

 

トラウマが遺伝するかどうかを調べるため、世代交代が速いマウスを用いた実験が行われました。まず、メスのマウスに軽い電気ショックを与え、その際にペパーミントの香りを嗅がせました。この方法で、電気ショックとペパーミントの香りを関連付け、ペパーミントの香りを嗅ぐだけで恐怖反応を示すように条件付けを行いました。次に、この条件付けされたメスのマウスと、条件付けされていないオスのマウスを交配させました。その結果、生まれた子どものマウスにペパーミントの香りを嗅がせると、母マウスと同様に恐怖反応を示しました。

 

 

子マウス単体でも恐怖反応

オンライン授業の講師を務めるkawauso編集長

 

さらに、母マウスから子マウスに何らかの方法でペパーミントの香りに対する恐怖が伝達される可能性を排除するため、生後すぐ子マウスを母マウスから引き離して育てました。それでも、子マウスはペパーミントの香りに対して恐怖反応を示しました。

 

 

卵子だけを別のメスのマウスに移植しても同じ

医者の顔もあるコナン・ドイル

 

次に、ペパーミントの香りを恐れるメスのマウスから受精卵を取り出し、ペパーミントの香りを恐れない代理母マウスの子宮に移植しました。この場合でも、生まれた子マウスにペパーミントの香りを嗅がせると、恐怖反応を示しました。

 

 

マウスの脳にストレスホルモンの増大が見られた

kawausoさん

 

このように、電気ショックとペパーミントの香りの条件付けを受けた母マウスの恐怖体験が遺伝子レベルで子孫に伝達されることが明らかになりました。これを踏まえて研究チームがマウスの脳を調べたところ、ペパーミントの香りを嗅いだマウスの脳では、ストレスホルモンであるコルチコステロンの増大と脳の偏桃体の活性化が確認されました。

 

 

トラウマの遺伝は危険を避ける知恵

 

研究チームは、親世代のトラウマが遺伝子レベルで継承されることで、子孫が自分で体験しなくても外界の危険を察知できるようになると指摘しています。これにより、厳しい自然界で生き延びるための助けになると結論付けました。ただし、今回の実験結果がそのまま人間に当てはまるとは限らず、人間で同様の実験を行うことは倫理的に問題があるため、注意が必要です。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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