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走行車両を守る為に歩兵の命を[使い捨てるロシア]


世界史02 爆発が起きる都市 モブ

 

ロシア軍がウクライナ北東部で戦端を開いてより、5週間が経過しました。現在、戦闘の中心地は国境付近の小さな都市、ボウチャンシクですが、そこでは走行車両に守られないまま、ドローンや大砲に倒れるロシア歩兵が大勢いるようです。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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歩兵の命が安いロシア

世界史01 飛行するドローン

 

開戦より2年が経過した現在、ロシア軍の累計死傷者は50万人を超えたというデータがあります。それでも、ロシアには無尽蔵に近い人的資源があり、毎月3万人の新兵を徴兵すると雑な訓練を施して前線に投入しています。これは毎月の兵力の損失を何とか補えるレベルであり、そのお陰でロシアは新たな戦端を開くことも可能で、ボウチャンシク攻防戦も、このような豊富なロシア兵に支えられています。供給力が継続する限り、ウクライナ戦争は容易には終わらないでしょう。

 

供給が下回る走行兵員輸送車

 

しかし、多くの歩兵を前線に投入できる一方で、ロシアの北東部侵攻が足踏みしているのも事実です。その大きな理由はロシア軍司令部がボウチャンシクに歩兵を送り込むだけで装甲車を送り込まないからです。ロシアには、BTR-82装甲兵員輸送車があり、歩兵をガードしながら戦いを進められる筈ですが、司令部はそれらの装甲兵員輸送車の投入を出し渋っています。この背景には、ロシア軍が装甲兵員輸送車と歩兵戦闘車両を4400両近く撃破されている点が挙げられています。逆にロシアの産業界が新規生産できる装甲兵員輸送車と歩兵戦闘車両は年間1000両でしかなく、破壊に対し供給が追い付いていません。

 

アメリカの支援再開でロシアのダメージが顕著に

君主論

 

一方でウクライナには、再び米国から砲弾が届くようになり、国内で自爆型ドローンの調達も増やし、監視ドローンで発見したロシア軍車両を片っ端から破壊しています。逆風を受けて、ロシア軍の指揮官が装甲車両の温存に舵を切っているのは明らかです。ところが歩兵だけはロシア領内から次々送り込まれているわけで、ロシア軍の前線司令部は安い歩兵の犠牲が増えても、貴重な装甲車両を温存したい意図が働いているようです。

 

 

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kawauso

kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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