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曹操が信頼を寄せていた許褚が離反、独立したら曹操軍の運命はどうなる?

2024年6月22日


 

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最終的には協力して戦う李典や楽進と張遼

 

 

軍師タイプも指揮官タイプも、一騎打ちに強そうな豪傑タイプも、とにかく人材の宝庫である曹操軍。

 

 

許チョ(許褚)と曹操

 

 

その中でも曹操(そうそう)に全幅の信頼を寄せられていた人物にして、本人もまた、曹操に絶対的な忠義で応えていた人物がいます。それが、許褚です。

 

 

 

許チョ(許褚)

 

 

 

おそるべし巨漢であり、曹操と出会う前には山賊達との戦いで牛を軽々と引っ張る怪力を見せつけ山賊達をビビらせたという伝説の持ち主。漫画やゲームでは一騎打ち要員のように扱われますが、実際は曹操のボディガードのような役割だったようで、史実でも、その怪力と並外れた体力を駆使し、絶体絶命の曹操を何度も窮地から救出しています。しかもこの許褚

 

 

史実では許褚(許チョ)に敗れる張衛

 

 

「あいつがいると曹操を暗殺できないから、許褚(きょちょ)が休みの日に謀反を起こそう」という陰謀が発生したその日、「おいらは今日は休みだけど、なんとなく、ご主人様が危なそうな胸騒ぎがしたから」と出勤してきて、「お前、今日は休みじゃなかったの!?」と真っ青になった謀反人たちを自慢の怪力で捕らえてしまっています。もはやご主人様のためならテレパシーすら働く異常な嗅覚。まぁつまりは、男気と忠実さを愛する曹操がいかにも好きそうな人物。実際、曹操はこの許褚をおおいにかわいがって世話をしてやっていました。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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絶対の信頼で結ばれている筈の許褚がまさかの曹操から離反!?

はじ三倶楽部 スマホの誤変換でイライラする参加者(はてな)

 

 

ですが!ひねくれた三国志ファンであれば、どうしても、こんなことを考えてしまうのではないでしょうか?

 

 

曹操

 

 

「曹操を絶対に裏切る筈がないキャラとして定着している許褚が、まさかまさかの、曹操から離反するシナリオがあったら、歴史はどうなっちゃうの?」と。そう!古代中国史は陰謀と計略の渦巻く世界であり、「絶対」はあり得ません。

 

怪獣大決戦のような兀突骨 vs 孔明軍

 

 

ましてファンの自由な空想世界の中であれば・・・。そこで今回は、まさかの、そのありえないシナリオ、「許褚が曹操に反旗を翻し独立!」となった場合の中国史を考えてみましょう

 

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許褚の離反となるとよほど巨大な黒幕が必要?

許チョ(許褚)と曹操

 

 

いったい、史実であれほどの絆で結ばれていた曹操と許褚の間が引き裂かれるきっかけとは、どのようなものがあり得るでしょうか?これはもう、古代中国史において、パターンはひとつしかあり得ません。どこぞの敵対勢力の軍師が大掛かりな計略を仕掛けてきた場合のみでしょう。

 

蜀の間諜(スパイ)北方三国志

 

 

恐らく許褚を裏切らせるとなると、許褚の身辺に大量のスパイを潜入させ、普段から「実は曹操殿は許褚の恩義に報いていないぞ」とウソを日常的に吹き込ませ、しかも許褚の部下や家族がいかにも曹操の命令で殺されたかのような擬装工作をする、など、数年がかりの「洗脳」をするしかないでしょう。

 

 

魏の間諜(スパイ)北方三国志

 

 

曹操に対立する勢力に属する、よほど構想力と陰謀力に優れた軍師が、大量のスパイを雇って実施して初めて成功する、それが許褚離反の計!

 

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実はもともと独立勢力の主の素質もあった?許褚が群雄として立つとこんなに強い!

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そんな凄まじい計略を実行できることが可能な人物が、この時代にいたかというと・・・それは最後に考察するとして、万が一、その計略が成功し、許褚が「曹操様はおいらのことを陰では使い捨てる気でいるに違いねえ!今まで大好きだっただけに、曹操様のことが許せねえ」とマインドコントロールされ切った状態でプッツンしてしまったら?

 

略奪する兵士(モブ)

 

これは、なかなか大変なことになりそうです。実は許褚は、曹操と出会う前、乱世の中で数百人の部下を従え、地方の砦に籠って山賊らと抗争を繰り広げていた、「もとはちっぽけながらも十分に独立した小勢力の主」。その時代にはたくさんの女子供も許褚の砦に避難していたというから、立派に小勢力の経営経験を持っているのです。

 

祁山、街亭

 

そんな許褚が曹操に不信感を持ち、反旗を翻すとなると、曹操の領土の一角、どこかの山か森の中に、昔のように鉄壁の砦を作って独立し、自分の子飼いの兵士たちや、反曹操の内心を持っていた部将達を集めて立て籠もる形でしょう。

 

三国志の武器 巣車 許チョ(許褚)

 

こうなった場合の許褚は、かなり強い!山賊との戦いの時も、巧みな指揮をとって砦の防衛を固め、投石落石の罠を作って籠城戦を成功させてきたという人物。鎮圧には相当手こずる、長期戦となるかと思われます。よしんばついに砦を陥落させたところで、許褚を捕えるのはかなり至難のワザ!

 

進軍する兵士b(モブ用)

 

一騎打ちで許褚を討ち取れる人間は曹操軍にもおらず、もたついているうちに許褚に、劉備の下や馬超の下、あるいは孫権の下に逃げられれば、とてつもなく厄介な敵となるでしょう。

 

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許褚の離反はそれほどまでに曹操軍にダメージであるとわかりました。しかしこのシナリオ、もっと気になる点がありますよね。曹操と許褚の仲を巧みに引き裂き、許褚に内乱を起こさせるほどの大陰謀を成功させることができる陰謀家など、この時代にいたでしょうか?

 

贋書の計 程昱、徐庶 軍師

 

こういうことが得意そうなのは、司馬懿(しばい)賈詡(かく)程昱(ていいく)ですが、この三人はすべて曹操の幕僚。わざわざ許褚と曹操の仲を裂く計略をする理由はありません。

 

孔明

 

 

あとは蜀の諸葛亮孔明(しょかつりょうこうめい)ですが、そもそもこのような陰湿なフェイク陰謀は得意そうではありません。

 

陳平

 

もはや私が考えるところ、意外な人物、というか、ずるい考察ですが、三国志の時代ではなく、項羽(こうう)劉邦(りゅうほう)の時代から、陳平あたりがタイムスリップ転生してこの時代に乱入する、くらいしか許著離反ができる程の策士は存在しえません。

 

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三国志ライターYASHIROの独り言

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逆に見れば、三国志時代ではなく、項羽と劉邦時代の陳平であれば、「絶対にあの二人の絆は揺るがない、と世間が思っているところを、あえて覆すのが策だ」という、驚天動地の離反を実現させることをむしろ熱心に追究するでしょう。

 

劉邦と張良と陳平

 

陳平クラスの策士が転生してくれば、はじめて、曹操と許褚の離間という途轍もない意外なシナリオが発動されそうな気がしますが、いかがでしょう?

 

陳平

 

ただし、陳平のような古代中国史でも最大級の陰謀名人が三国時代に転生してきた場合、真っ先にこの才能にほれ込み自分の陣営に引き抜き飼いならせるのは、けっきょく曹操な気もしますが・・・。

 

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YASHIRO

とにかく小説を読むのが好き。吉川英治の三国志と、司馬遼太郎の戦国・幕末明治ものと、シュテファン・ツヴァイクの作品を読み耽っているうちに、青春を終えておりました。史実とフィクションのバランスが取れた歴史小説が一番の好みです。 好きな歴史人物: タレーラン(ナポレオンの外務大臣) 何か一言: 中国史だけでなく、広く世界史一般が好きなので、大きな世界史の流れの中での三国時代の魅力をわかりやすく、伝えていきたいと思います

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