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ゼレンスキー大統領の苦悩[NATO加盟への茨の道]

2024年7月12日


世界史01 ゼレンスキー風大統領

 

ウクライナのゼレンスキー大統領は、隣国であるロシアの侵略を将来的に抑止するために北大西洋条約機構(NATO)への加盟を強く求めています。西側諸国には、ウクライナのNATO加盟の道筋を明確に示すと同時に最大限の軍事支援を求めてきました。しかしウクライナのNATO加盟は茨の道であるようです。それはどうしてなのでしょうか?

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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問題はNATOの集団的自衛権

世界史05b NATOの国旗

 

ゼレンスキー大統領のNATO加盟に加盟国が難色を示すのは、NATO条約が加盟国への攻撃を全加盟国への攻撃と見なし武力行使を含む必要な措置を取ると明記しているからです。この措置があるため、もしウクライナがNATOに加盟できると、NATO諸国は自動的にロシアの交戦国になってしまうのです。もっとも、それがゼレンスキー大統領の願いであり、そうなれば、ロシアは迂闊にウクライナを侵略できないと考えています。

 

 

 アメリカも加盟国も難色

バイデン大統領風大統領 アメリカ

 

しかし、ロシアの戦争相手をウクライナに限定し、自国は武器だけを支援したい加盟国は派兵を伴うウクライナのNATO加盟を躊躇しています。ウクライナのNATO加盟を支持すると、自国の兵士をロシアとウクライナの戦争の犠牲にするのか?と政敵に足を取られかねないからです。特にアメリカは、世界最大の軍事力を持つNATO加盟国であるため、ウクライナのNATO加盟を認めれば、ほぼ確実にアメリカ軍を派遣しないといけなくなります。それは、ウクライナとロシアの戦争が米ロの戦争に転化する危険を持っているのです。

 

 

それでもウクライナのNATO加盟は必要

世界史02 プーチン風大統領

 

プーチン政権下のロシアが極めて帝国主義的であり、ウクライナ国家もウクライナ民族も認めず、同じくルーシ民族として合流すべきと民族浄化的な思想を持つ以上、ウクライナにはロシアの防波堤として頑張ってもらうしかありません。しかし、ただ武器だけを供与し、私たちは関係ないでは、ロシアのウクライナ侵略の野心は消えないでしょう。どのような形であれ、NATO加盟国はウクライナの加盟を認めるプロセスを明確にして、プーチン大統領の野望に歯止めを掛けないといけません。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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