ウクライナ政府の高官らは8月14日、ウクライナ軍が越境攻撃を続けているロシア西部クルスクに緩衝地帯を設けて人道支援や民間人のための避難回廊の設置を計画していると明らかにしました。ロシアとの戦闘が長引き、民間人に対する被害が拡大している事を鑑みての措置と考えられます。
民間人避難用の人道的回廊
ゼレンスキー大統領は人道面での協議に加え越境攻撃でウクライナ軍が占領した地域に軍事関連地帯を設置する可能性についても高官たちと協議しました。ウクライナのベレシュチュク副首相は、メッセージアプリテレグラムで、軍の計画では民間人避難用の人道的回廊を開設する。これはロシア側とウクライナ側の両方に向けたものだと投稿しました。
緩衝地帯には赤十字や国連が含まれる
ウクライナ高官の談話によると緩衝地帯には、国際的な人道支援組織や赤十字国際委員会、国際連合が含まれる可能性が高いようです。ウクライナ議会人権員会のルビネツ氏は緩衝地帯では食料品や医薬品、その他、民間人に必要なものが提供されるべきだと投稿。クリメンコ外相は緩衝地帯設置措置は、敵の攻撃から国境コミュニティを守る措置だと投稿しています。
緩衝地帯を通じた情報戦略も
緩衝地帯の設置は激しさを増す、クルスクでのウクライナとロシア双方の攻撃により、死傷者を増やしているクルスク州住民への措置と考えられます。また、ロシアとウクライナの国境に緩衝地帯を置いて、国連や赤十字、人道支援組織を招く事でロシア軍の国際法無視の蛮行を抑止し、同時にウクライナ戦争への関心が薄まりつつある国際社会の耳目を引き付ける狙いもあると思われます。
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