ウクライナによる連日のロシア領内へのドローンやミサイル攻撃は、ロシアの石油生産に深刻な打撃を与えているかも知れません。ロシア連邦統計局は28日に石油製品に関する月別統計を公表しましたが、ディーゼル燃料や重油など石油製品生産量に関する統計は取りやめとしました。
連邦統計局はロシア政府の措置と発表
ディーゼル燃料や重油の生産量に関する統計発表中止は、今年5月のガソリンの生産統計の公表停止に続くもので、連邦統計局は短く、政府の決定に基づく措置だとしています。一方、ロシアメディアは、ディーゼルや重油生産量の情報の開示で市場操作が行われるおそれがあるとするエネルギー省の説明を伝えているようで、生産量低下により市場で買い占めなどが起きる事を阻止する狙いがあるようです。
石油貯蔵施設への攻撃が深刻
ロシアでは、ウクライナと1200キロも離れた中部キーロフ州などの石油貯蔵施設へウクライナ軍の無人機による攻撃が相次いだと地元の知事が明らかにするなど、ウクライナ軍のドローン攻撃が続いています。イギリスBBCの発表では、今年に入ってウクライナ軍による石油貯蔵施設や製油所への攻撃は64回にも上るそうです。統計発表の中止はロシアの石油生産能力が思った以上に低下している事を裏付けているのかも知れません。
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