緑と水の惑星地球。しかしそんな地球の表面積の41%。61億ヘクタールという広大な地域が砂漠・乾燥地帯と言われています。そして、その貧しく厳しい環境に人類の31%が住んでいます。増え続ける人口を考える時、広大な砂漠の緑地化は喫緊の課題。深刻な食糧不足に陥るかも知れない人類を救う方法、それを白アリが握っているって知っていますか?
シロアリが生ごみ食べて砂漠を緑化する
日本ではシロアリは家の木材を食い荒らし、コンクリートでさえ穴を空けるきらわれ者です。しかし、この害虫のシロアリは砂漠に持っていくと不毛な砂漠を緑化してしまうのです。
シロアリの緑化のメカニズム
では、白アリがどうやって砂漠を緑化するのでしょうか?砂漠ではシロアリは蟻塚と呼ばれる巨大な巣を地上に作ります。この蟻塚の近くに枯死した植物や動物の糞を撒くと白アリがこれらを巣に持ち帰って食べます。
白アリは、枯死植物や糞を運んで地面を掘り進みます。無数のシロアリが地面を掘り進む事により土が耕されて柔らかくなり、土の中に沢山の小さな空洞が出来て、酸素も土中に行き渡ります。こうして、酸素が供給されると同時に土には窒素やリンも吸収され、土壌が豊かになるのです。さらにはシロアリが集めて加工した土は水分の吸収力が高く水分をよく保持するのでその土の上に草木が生い茂り、次第に砂漠が緑化されていきます。
アフリカにはシロアリを利用した砂漠の土壌改良技術がある
アフリカの各地では、このシロアリを使った砂漠の土壌改良法が幾つもあり、例えばブルキナファソには有機ゴミをまく、ザイ、ツンブキザと呼ばれる農法があるそうです。京都大学の大山先生は、アフリカの伝統的な土壌改良農法をさらに一歩進め、砂漠に生ごみを撒いて緑地化する活動をしています。ゴミを直接まく事で、ゴミが雨水を含み、地中に出来たシロアリのコロニーを水路にして地中に雨水が浸透するそうで、5年位をかければ、人間の食用や家畜の肥料が出来上がるといいます。
最高に栄養価が高い白アリ
白アリは自然界の生物で唯一、木を食べてたんぱく質に変換する酵素を持っています。従って自然界の動物でシロアリを主に食べている生き物は、皆、体が大きいのです。白アリは栄養価豊富で、人間の将来の食料としても期待されています。もっとも、私はシロアリよりも、白アリが耕した土壌から取れた作物のほうが好みですが…
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