筆者も書籍購入でお世話になる事が多いAmazon。リアル書店もいいですがAmazonの膨大な書籍の品揃えの前には、売り場面積に限りがあるリアル書店はやはり不利です。そんなAmazonの創業者ジェフ・ベゾスがAmazonを大赤字にしてまで産み出したオンリ―1の価値がありました。競合に決して真似できない、その価値とはなんでしょうか?
大赤字を出してまで物流センターを増設する
ベゾスがAmazonを大赤字にしてまで産み出した物は、巨大な倉庫とオペレーションのための8000人の従業員でした。2000年、前年比2倍の売り上げを記録していたベゾスは、それまで2カ所にあったAmazonの物流センターを一気に6つ増設して8つにします。しかも、倉庫は1つあたり5000万ドルの建設費で物流センターの延べ床面積は3万平方メートルから50万平方メートルに拡大し、従業員も8000人近くに膨らみ、この年、Amazonの最終損失は1000億円に到達しました。これに投資家は非難囂々、さらにネットバブルの崩壊もあってAmazonの株は最盛期の1/14の8ドルまで下落します。それでもベゾスは全く平気でした。
唯一無二の価値、クイック・デリバリー
ベゾスが物流センターを8つに増やしたのは、アメリカにおいてクイック・デリバリーを実現するためでした。その当時、アメリカには商品を翌日、遅くても翌々日までに届ける物流企業は存在しなかったのです。しかし、物流を強化したAmazonは、遅くても発送日から翌々日までには全米各地に商品を届けるクイック・デリバリーに成功します。この速さこそが、誰にも真似できないAmazonの強みでした。1時は8ドルにまで急落したAmazon株は2012年には創業来最高の238ドルに急成長しています。
新しい技術にすぐ飛びつくベゾス
ベゾスは新しいテクノロジーにすぐ飛びつくミーハーな人物でした。1994年、インターネットが急速な成長を遂げていると知ったベゾスは、これからは通販ではなくインターネット経由で物を買う時代が来ると直感し、ヘッジファンドの上級副社長の高給を投げうち、ニューヨークから西海岸のシアトルに引っ越し、eコマース事業について学び、新しいノウハウを反映させました。次々に新しい技術が誕生し新陳代謝が激しいテクノロジーの世界では先行者利益がそれ以外のジャンルよりも大きく、ベゾスのミーハーな精神は、Amazonの事業を大成功させるのに大いに役立ったのです。
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