あなたの自宅に強盗が入ってきて財産や命を奪おうとした時、抵抗して強盗を殺したり傷つけてしまうと法律上どうなるのでしょうか?ちょっと見ると正当防衛が成立するのか?それとも過剰防衛になるのかと考え込んでしまいますが、このケース、日本の刑法では無罪になる可能性が高いってご存知ですか?
※この記事はエンタメ記事であり、正確な法律知識を読者に与えるモノではありません。あらかじめご了承ください。
根拠は昭和五年法律第九号
その根拠となるのが、今から93年前に制定された昭和五年法律第九号(盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律)です。この法律は旧漢字なので読みづらいですが、ここのリンクで読む事が出来ます。e-GoV法令検索
ここには、第一条 左の各号の場合において自己又は他人の生命、身体又は貞操に対する現在の危険を排除する為、犯人を殺傷した時は刑法第三十六条第一項の防衛行為があったと見なすという一文があります。刑法36条の第1項とは正当防衛の事で強盗などに遭遇した場合に正当防衛で相手を殺傷しても罪には問われないのです。
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正当防衛に加えた特別な法律
さらに法律第九号は、以下のような事も定めています。自分や他人の生命、身体や貞操に対する現在の危機がなかったとしても、恐怖心や驚愕、興奮や狼狽により事件現場で犯人を殺傷した時はこれを処罰しない。
この意味は、犯罪者に襲われた際に直ちに命の危険が無かったとしても、被害者が恐怖や興奮、あるいは狼狽していて、犯罪者を殺傷してしまったらこれを処罰しないというものです。通常の正当防衛には過剰防衛の項目があり、やりすぎた場合には罪に問われる事がありますが、昭和五年法律第九号はこれを除外しているのです。
注意!これは強盗などの場合に限る
補足して注意しておきますが、昭和五年法律第九号(盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律)が適用されるのは、凶器を所持し、許可なく他人の住居に侵入したり、特殊な機械を使用してドアや窓を破壊して他人宅に侵入し、家主や警備人の退去命令に応じないような強盗に対してです。明らかに犯罪を起こす事が明白な犯罪者が該当する事に注意が必要です。
例えば、路上で他人とトラブルになって殴り合いに発展し相手を殴って怪我をさせたり、不幸にも殺してしまった場合には、法律第九号は適用されないので混同しないようにして下さい。
犯罪者には抵抗しない方が無難
この記事を読んで「よーし強盗相手なら怪我させても殺しても無罪なんだな」と意気込む方はいないと思いますが、凶器を持ち事前に準備した人間に抵抗するのは下手をすれば殺される可能性もあります。また、いかに正当防衛が成立しても、人を殺してしまえば、その心の傷は生涯消えないものになるでしょう。あくまでも雑学として頭の片隅に入れておくに留めて下さいね。
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