2022年の日本人の人口は、1億2203万1千人で前年に比較して75万人も減少しました。これは福井県の人口に匹敵します。それでも多くの人は、人口が減るという事を高齢者を支える若者の数が減り、社会保障費の負担が増える程度にしか感じていないかも知れません。しかし、人口の減少はたかだか社会保障費の負担が増えるだけではありません。日本の経済を縮小させ、世界的にみて貧国に日本を落とす時限爆弾なのです。
明治維新後、増え続けていく日本の人口
過去、日本は世界第二位の経済大国でした。これは何も日本人が勤勉だったからだけではありません。日本が島国の割に人口が多かったからです。明治維新の頃に3000万人だった日本の人口は明治の終わり頃には5000万人を越え、大東亜戦争直前には7000万人に到達。敗戦で減少したものの、1970年には1億人を突破しました。
昭和20年の日本の15歳以下の人口は全体の36.8%もあり、65歳までの人口でも58.1%で、65歳以上は5.1%しかありません。終戦直後の日本は圧倒的に若い国だったのです。
圧倒的に若い人口が生産と消費をし日本を経済大国にした
人間の人生を見た時に、一番お金を使うのはやはり若い時期です。戦後の日本は若年人口が続々と就職し、家電を買い、車を買い、結婚して家を買い、子どもが生まれると教育やレジャーでお金を使いました。国内消費の事を内需と言いますが、若年人口が多かった日本は内需国であり、人口ボーナスにより、対外輸出に頼らずに消費を増やし経済成長できたのです。
アジアの経済成長は人口が多く若いから
現在は、アジアの新興国の経済成長のニュースがよく入ってきます。豊かさの目安は国民の平均所得が年間1万ドルを超えるあたりとされていて、中国では1人あたりのGDPが12500ドル、マレーシアが13000ドル、タイが7600ドル、ベトナムが4000ドル、フィリピンは3600ドル、インドネシアが4700ドルです。1万ドルに到達していない国でも、ベトナムは1億人、フィリピンは1億1千万人、タイも7000万人と人口が多く、また若年層が大半を占めるので、今後の経済発展により、平均年収1万ドルを超え、やがて日本を超える経済大国になっていくでしょう。
人口が減ると日本は貧しくなる
人口はいきなり増えるものではありませんので、高齢者ばかりになり、お金を使わなくなった日本の経済的没落は回避のしようがありません。また民主主義国なので、政府が無理に国民にお金を使わせる事も出来ません。増税すれば増々国民の財布の紐は固くなり、経済は停滞します。絵に描いたような悪循環です。後10年もすれば、日本は東南アジア諸国にも経済的に追い抜かれ、なんの印象もない極東の貧国として不景気と低成長に喘ぐようになるでしょう。
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