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日本企業が没落した理由は躍進した理由と同じだった

2023年4月4日


 

東京スカイツリー、kawausoさん

 

2022年度の世界の大企業TOP50が発表されました。この中で日本の企業は幾つ入っているか皆さんご存知ですか?実はたった1社、48位のトヨタだけなのです。1989年には、バブルの影響もあるとはいえ、TOP5を独占していた日本の企業は、どうしてこうも没落してしまったのでしょうか?その理由はなんと!日本企業が大躍進したのと同じでした。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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徹底して無駄を省き多品種化で世界を席巻した日本

日本史01 煙を吐く工場

 

1980年代、日本企業は世界を席巻しました。その最大の強みは無駄を省いた作業の効率化と製品の多品種化でした。例えばトヨタやホンダが新車を開発するまでに36か月しか掛からないのに対し、アメリカやヨーロッパでは60か月掛かっていました。無駄を徹底的に省いた日本型経営は、性能を上げてコストを下げる事に繋がり、合理化の取組が遅れたアメリカやヨーロッパ企業から顧客を奪っていったのです。

 

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効率化と多品種化が裏目に出る日本

袁術

 

 

しかし、世界を席巻した日本の生産方式は、2000年代に入ると目に見えて色あせていきました。それは日本企業があまりにも作業を合理化、効率化し、次々と新商品を開発した結果、商品の消費サイクルが短くなって価格がどんどん低下していくようになったからです。この悪循環により、日本企業は良い製品を生み出すのですが、利益が上がらず業界全体が縮小する事になっていきました。

 

戦略を持たない日本企業

kawausoとおとぼけ

 

 

既存の分野で利益が上がらないなら、顧客が求めているがまだビジネス化していないジャンルの商品を掘り起こせば、先行者として価格を自由に決定し価格下落のスパイラルから脱出する事が出来るかも知れません。しかし、日本企業は模倣は上手ですが、新しい価値を一から創り上げるのは大の苦手でした。また、日本の企業風土は良くも悪くも全会一致で横並びを好み、突飛で独創的な発想をする人間を嫌悪して排斥したり耳を貸さない特徴があります。このため、イノベーターが出にくく、これからどうやって利益を獲得していくか?という戦略がまるで描けないジリ貧状態になったのです。

 

 

これからは合理化と効率化ではなく価値の創出を

 

 

これからの世界では、80億人に達しようとする人類が次に何を求めているかをリサーチし、それを形にしてビジネスに結びつけなければ生き残れません。日本も横並び全会一致型の経営手法を改めてイノベーターが出やすい環境を整えなければ、再び世界のTOP企業に名乗りを上げるのは難しいでしょう。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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