ウクライナ軍は最近の2週間にわたる反転攻勢で、南部ザボリージャ州などで8つの集落を奪還した成果を強調しています。ロシア国防省もこれまでウクライナ軍の反転攻勢を認めていませんでしたが、ザボリージャ州でウクライナ軍との激しい戦闘が進行していることを認めざるを得なくなりました。
ザボリージャ州でピャチハトキなど8つの集落が解放される
ウクライナ国防省のマリャル次官は、南部ザボリージャ州のピャチハトキなど8つの集落が最近の2週間で奪還されたと6月19日にSNSに投稿し、作戦の成果を強調しました。ザボリージャ州の親ロシア派の幹部は、ピャチハトキがウクライナ側に奪還されたことを認め、ロシア国防省もザボリージャ州が最も激戦地域であると表明、激しい攻防が続いているようです。
ロシアがドニプロ川東岸から数千人の精鋭部隊を移動
イギリス国防省は19日の分析で、ロシアが東部ドネツク州とザボリージャ州を強化するためにドニプロ川東岸地域から数千の空挺部隊の精鋭を移転した可能性が高いと述べています。空挺部隊が駐屯していたヘルソン州では今月、ダムの決壊による洪水被害が拡大したため、ロシア側はウクライナ軍が大規模な反転攻勢を行う可能性は低いと判断し、現在は激しい戦闘が続くザボリージャ州に部隊を移動させていると考えられています。
ウクライナ軍が作戦見直しを検討中?
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」によると、ウクライナ軍は反転攻勢を実施し、一部の成果を挙げていますが、ダムの決壊など予想外の事態が発生し、計画通りの作戦が実行できなかったため、作戦の見直しを検討している可能性があると指摘。また、ロシア軍の反撃も激しく人的被害も増加していることから、一時的に進軍を制限し、戦略の見直しをする可能性も指摘しています。
陣地に籠ったロシア軍の強さ
ロシア軍は長い歴史の中で堅固な陣地構築の技術を身につけてきました。ウクライナ軍が正面から戦いを挑む場合、従来のゲリラ攻撃とは比較にならないほどの被害が発生するでしょう。ロシア軍から譲歩を引き出すには、ロシア軍の防御が手薄な箇所を見つけ出し、痛烈な打撃を与えて多くの捕虜を得るか、主要な都市を解放するかして、ロシア国民に嫌戦気分を広げるような重大な攻撃が必要でしょう。
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