ロシア・ウクライナ戦争は開戦から550日を経過しました。現在、ウクライナは大規模な反転攻勢に出ていますが、プーチン大統領は譲歩する様子もありません。なぜ甚大な被害が出ているのにプーチン大統領は戦争を継続できるのでしょうか?そこには人的被害を減らし国民に戦争を知らせないプーチン大統領の悪夢のシナリオがありました。
ロシア軍の戦死者は軍全体から見ると多くはない
ロシア・ウクライナ戦争においてのロシア軍の戦死者はアメリカ国防総省の発表では、最大で4万3000人とされています。一方、ロシア軍の兵力は予備役を含めて290万人で、現役兵だけでも150万人います。現役兵だけで考えてもロシア軍の損耗率は3%で、戦争が継続できないような深刻な状況にはないのです。
時間はプーチン大統領に味方する
ロシア軍においては、戦車や兵器の枯渇が深刻ですが、それでもロシア軍はウクライナ領土の25%を征服し、そこに強固な陣地を構築しています。プーチン大統領は、出来るだけ戦争を引き延ばそうと考えていて、そのうち西側諸国がウクライナを支援するのに疲れて、支援が減少するのを待ち、その間に軍事生産力を高めて反撃に転ずる構えなのかも知れません。
プーチンが恐れるのは世論
そんなプーチン大統領はアメリカも西側諸国も恐れていません。プーチンが唯一恐れるのはロシア国内の世論のみです。そのため、プーチン大統領はワグネルのような民間軍事会社を使用して囚人を兵士として投入し、できるだけ国民にウクライナ戦争の現状が知られないように配慮しています。ロシア国民が戦争に無関心であれば、プーチン大統領の政権は安定です。
プーチンを狼狽させるにはクリミア半島の奪取しかない
戦争に無関心なロシア国民ですが、自国領土が奪われたとなれば、どう反応するかは分かりません。特に2014年にロシア軍が不法に侵略したクリミア半島がウクライナに奪われるような事があれば、これは大きな騒ぎに発展しかねません。そのため、プーチン大統領に戦争継続を断念させるカギはクリミア半島の奪還という事になるのです。
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