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ゼレンスキー大統領はドラマで大統領を演じ実際に当選した[嘘みたいなホントの話]

2023年8月5日


世界史01 ゼレンスキー風大統領

 

ウクライナのゼレンスキー大統領がコメディアン出身である事はよく知られています。どうしてコメディアンがウクライナの大統領に?と考えてしまうのですが、実はゼレンスキーは大統領になる前にドラマで大統領を演じ、その人気を足掛かりに大統領に当選してしまった人なのです。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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ユダヤ系ウクライナ人として誕生しコメディアンへ

おとぼけ(田畑)ナレーション

 

ゼレンスキーは1978年にウクライナ・ソビエト社会主義共和国でユダヤ系ウクライナ人として誕生しました。子どもの頃からトークの才能があり、ロシアのバラエティ番組にウクライナ代表のアマチュア芸人として出演しています。キーウの国立経済大学のクルィヴィーイ・リーフ校で法学を専攻しますが、卒業後は法曹人ではなくコメディアンになりました。1997年番組内でコメディ集団「第95街区」を結成。その手腕で「第95街区」をコメディ映画や番組、舞台の政策会社へ再編しウクライナの大手テレビ局へ番組を提供しました。

 

政治風刺ドラマ「国民の僕」で大統領を演じる

生徒に勉強を教える盧植

 

ゼレンスキーは芸能活動と並行し不安定なウクライナ社会への問題提起を開始、それを契機に2015年ウクライナのテレビ「1+1」でゼレンスキー演じる歴史教師がふとした事から大統領になる政治風刺ドラマ「国民の僕」が放映されて大ヒット。映画版も制作されるほか、2017年には第2シーズン、2019年には第3シーズンが放送されました。

 

2019年の大統領選に出馬

国会議事堂

 

「国民の僕」は政治風刺ドラマだったのですが、大ヒットした影響で支持者の間にゼレンスキーを本物の大統領に擁立しようとする動きが起きます。これにゼレンスキーも乗っかり、2019年の大統領選へ出馬しました。ゼレンスキーは意図的にドラマと現実をリンクさせる手法を取り、実際に「第95街区」のメンバーで「国民の僕党」を結成し作品の続きとして選挙戦を展開。選挙活動では政治集会や討論会をせず、原作と同じくインターネット上での呼びかけを集中的に実施します。

 

決選投票で2位のポロシェンコを下し当選

銅雀台の建造記念パーティーを行う曹操

 

日本なら、ここで「現実の壁は厚いものでしたチャンチャン」で終わりそうですが、ゼレンスキーは44名が立候補したウクライナ大統領選でじわじわと支持を伸ばし30%の支持率を獲得して1位になり、その後、2位のポロシェンコと決戦投票をし、これを圧倒して大統領に当選しました。ドラマは現実になってしまったのです。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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