ロシアのプーチン大統領が、国営軍事企業のトップとの会談で、自国製の自爆型無人機「ランセット」の増産を指示しました。この決定は、ウクライナに対する軍事支援を行う欧州諸国やアメリカに対する牽制も意図しているようです。
プーチン大統領、国営軍事企業にランセット増産を指令
2023年8月7日、プーチン大統領は「ロステク」という国営軍事企業のCEOであるチェメゾフ氏と会談し、ウクライナへの軍事行動においても使用される自爆型無人機「ランセット」の生産量を今後も増やすよう命じました。
敵兵と戦車を撃破する無人機ランセット
ランセットはウクライナの前線で実際に使用されています。改良により飛行時間は従来の40分から1時間に延長され、5kg以上の強力な弾頭を搭載することができるように進化しました。この無人機は、榴弾やサーモバリック弾頭を使用して敵兵を攻撃し、成形炸薬弾頭を使用して装甲車両を攻撃するために活用されています。ランセットは金網を突破し、装甲車両を破壊できるなど、ウクライナ軍にとって深刻な脅威となっています。
ドローンが陸海空で主力となる
ロシアとウクライナの戦争は、ますますドローンによる戦争の様相を呈しています。ドローンは低コストでありながら、高性能な兵器を搭載可能であり、戦車や軍艦すら撃沈させる能力を持っています。ウクライナはドローンの量産に取り組む一方で、ロシアもドローンの生産を増やし、ウクライナへの西側諸国からの武器支援に対抗しています。今後の戦争においても、ドローンの重要性は増すばかりであり、その役割は減少することは考えにくいでしょう。
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