アメリカの戦争研究所が8月26日の報告書で、ウクライナ紛争においてロシア正規軍と共に戦ったネオナチ戦闘部隊「ルシッチ」のリーダー、ヤン・イゴレビッチ・ペトロフスキーがフィンランド警察に逮捕されたと発表しました。この逮捕に伴い、「ルシッチ」はプーチン大統領に対し、ペトロフスキーの釈放を求めなければ戦線を離脱する意向を示しています。
ウクライナの要請に基づく逮捕
情報によれば、フィンランドがペトロフスキーを逮捕したのはウクライナ政府の要請に従ったものとされています。ペトロフスキーは「ルシッチ」の指導者として、アメリカとEUからの個人制裁を受けており、戦争犯罪容疑者としても指摘されています。ウクライナはテロ容疑者としてのペトロフスキーの逮捕をフィンランドに求めていました。
フィンランドのNATOとの連携強化の意図
今年4月、フィンランドはロシアの脅威に対抗するため、NATOへの加盟を果たしました。このペトロフスキーの逮捕は、フィンランドがロシア依存を脱し、NATOとの連携を強化する意向を示すものとされています。ウクライナはまた、ペトロフスキー容疑者の引き渡しをフィンランドに求めています。
ルシッチのプーチン大統領への最終通告
ペトロフスキーの逮捕を受けて、「ルシッチ」は不満を募らせ、ペトロフスキーの解放を求める声をプーチン大統領に向けています。しかし、プーチン大統領が容易にペトロフスキーを釈放することは難しいでしょう。プーチン大統領がフィンランドに圧力をかけた場合、フィンランドはますますNATOに接近し、ロシアに対する敵対姿勢を強める可能性があります。一方で、ルシッチの要求を無視すると、彼らが独自に戦場から離脱する可能性が高く、その結果、ワグネルに続く第二の反乱が勃発する恐れもあります。
プーチンの皮肉な立場
「ルシッチ」の指導者であるペトロフスキーはネオナチとされています。以前、プーチン大統領はウクライナに対して「ネオナチ政権」と非難するなど、彼らを批判していましたが、今回の事件でロシア支持のネオナチが指導する部隊が存在することは皮肉な事実と言えるでしょう。