最近、ロシア軍はウクライナからの攻勢に対する防戦が続いており、プーチン氏にとって好ましいニュースが少ない時期となっています。9月12日には、ウラジオストクで行われた経済フォーラムに参加し、ウクライナへの西側諸国の武器供与について議論しましたが、戦局に大きな変化は見られず、その結果も変わらないと強気のコメントを残しました。
反攻作戦の失敗とロシアの頑強な姿勢
経済フォーラムで、プーチン大統領はウクライナ軍が大きな損失を被り、反攻作戦が失敗に終わったと述べました。また、ウクライナが和平交渉を開始する可能性について「資源がほぼ枯渇し、戦闘能力を回復させるために交渉を始める可能性があるのではないか」との見方を示しました。一方で、ロシア軍が停戦する可能性については「ロシアはウクライナの反攻作戦に対抗し、停戦の余地はない」と否定しました。この発言は、ロシアがウクライナの反攻作戦を失敗と評価しつつ、停戦の可能性がないと主張している矛盾を抱えているようにも思えます。
ロシアには毎日1,000から1,500人の志願兵が加わる
さらに、ロシアが新たな兵力を動員する必要性について問われた際、プーチン大統領は「毎日1,000~1,500人のロシア市民が自発的に入隊契約を結んでいる」とし延べ人数で27万人が志願した等とロシア軍の高い士気を強調しました。しかし、既にロシア兵の給与はロシア国民の平均月収の2.7倍に引き上げられており、徴兵対象の年齢も30歳に引き上げられているなど、プーチン大統領の自信に反するデータも存在します。
ウクライナの冬に期待する戦略
プーチン大統領は、ウクライナの冬が到来することを期待している可能性も考えられます。冬になれば、地上での軍事行動が難しくなり、ウクライナ軍の攻勢も緩和され、戦線は来年の春まで停滞することが予想されます。その間、ロシアは防衛陣地を増強し、破壊された防衛ラインを修復・強化する機会を得るかもしれません。
▼こちらもどうぞ
プーチン大統領相変わらずの核の恫喝[サルマト]配備の裏に通常兵器不足か?