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平安貴族の死因は現代人にも当てはまる[NHK大河光る君へ予備知識]

2024年3月9日


 

 

NHK大河ドラマ「光る君へ」の影響もあり、最近注目を集めている平安時代の貴族の生活。最近までは高級貴族は贅沢三昧で運動不足なので肥満し、糖尿病のような成人病を患って死んだとされてきましたが、極端な栄養の偏りも原因であったようです。今回は現代人にとっても他人事ではない平安貴族の病を解説します。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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一日三食、食事は糖質と塩分過多でビタミン不足

藤原実資

 

 

平安時代、庶民の食事はまだ一日二食でしたが、貴族は三食に移行していたようです。貴族でも高級貴族となれば、自分が食べたい食材をなんでも食べられそうですが、盆地である京都は海から遠いので、食中毒を恐れて肉も魚も乾物にして食べていました。つまり、新鮮な食材は平安時代では自分で狩猟しない限り、望むべくもなかったのです。また平安時代の貴族は、御酒、御井酒、醴酒や三種糟、白酒のような酒を飲んでいましたが、これらの酒は甘く、糖度が高く、後の味醂のルーツになっていました。総合してみると平安貴族は乾物から塩分を酒から糖分を過剰に摂取しビタミンは不足、仕事も座り仕事ばかりで運動をしない、まるで現代人のような生活を送っていたのです。

 

 

蔓延した脚気や糖尿病

水路を断たれ残念がる馬謖

 

 

まるで現代人のような生活をしていた千年前の平安貴族が患う病気は、当然、現代人と同じようなものになりました。藤原道長や兄の道隆は常に喉が渇き、水をがぶ飲みする糖尿病特有の症状に苦しみました。また道長は糖尿病の進行で晩年は、モノがぼんやりとしか見えなかったようです。もう一つ、平安貴族を襲った病気は脚気です。これは、現代人には馴染みがありませんが、ビタミンB1 が不足して起きる病気で、ビタミンB1が含まれる麦や豚肉を食べると改善されますが、当時はそんな知識はなく悪化すると心臓麻痺で死んでしまう恐怖の病気でした。

 

 

適度な運動とバランスが良い食事

藤原氏の全盛期を築いた藤原道長

 

 

平安貴族は安楽でノホホンと過ごしていたように見えますが、一族同士でも足を引っ張り合う熾烈な出世競争の世界であり権力を得ると、強いストレスを感じたようです。過度な塩分や糖分と運動不足、そしてストレスでは病気になるなというのが難しいでしょう。しかし、21世紀に生きる現代人には平安とは比較にならない程に進歩した医学の知識があります。貴族たちを反面教師に今日からでも食事を見直し運動を心掛け、ストレスを軽減する生活を実践しましょう。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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