2050年には日本の人口が1億人を下回り、総人口は9515万人に減少すると予想されています。この間に高齢者の数は約1200万人増加し、生産年齢人口(15歳から64歳)は約3500万人、若年人口(0‐14歳)は約900万人減少すると見込まれています。結果、2050年には、高齢者が全人口の40%を占めるシニア社会が到来する見込みです。このような日本史上初の状況に対処するため、海外からの移民ではなく高齢者の活用が求められています。
日本の69歳までの就業率が50%を超える
昭和時代には70歳と言えばリタイヤした高齢者とみなされていましたが、現在では医療の進歩や栄養状態の改善により、70歳でも元気に働く高齢者が増えています。実際、内閣府の調査によると、69歳までの高齢者の就業率は50%を超えています。これは高齢者が年金だけでは生活が難しいためという一面もありますが、同時に70歳近くでも活躍できる高齢者が多いことを示しています。
トヨタのシニア雇用率は50%を超える
トヨタ自動車は労働者不足に直面し、シニア層の雇用を拡大することを発表しました。シニア層の豊富な知識や技術を活用し、若手など他の世代との連携も図るため、定年制度を全職種で70歳まで引き上げます。
60歳以上の60%が70歳まで働くことを想定
2019年の内閣府のアンケートによれば、60歳以上の人々のうち、収入のある仕事をいつまで続けたいか?という問いに対し、65歳までと回答した人が25.6%、70歳までが21.7%、75歳までが11.9%、80歳までが4.8%でと回答しています。これは政府の年金支給年齢の先延ばしを望む意向もあるかもしれませんが、現在の60代は70代まで働きたいという意欲があることを示しています。
企業は高齢者の雇用に懸念を抱く
高齢者は積極的に働く意欲がある一方で、企業側には高齢者の雇用に対する懸念もあります。リクルートジョブズリサーチセンターの調査によれば、企業の66.5%がシニア層の雇用に消極的であり、健康や能力、高齢者に適した仕事内容が分からないなどの理由が挙げられています。
高齢者が働きやすい環境を整備する
社会の変化に対する人間の適応は遅いものです。高齢者の活躍は従来の社会モデルと異なりますが、現実には70歳まで働ける高齢者が増えています。高齢者が無理なく働ける環境を整備することで、少子高齢化に伴う年金や福祉予算の増大の課題を緩和することができるでしょう。
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