皆さんはゲームボーイをご存知でしょうか?弁当箱のようなサイズの白いゲーム機で表面に十字キーとABボタン、スタートとセレクトがついていて、白黒画面でゲームがプレイできました。来年には五十歳になる筆者も12800円のゲームボーイを魔界塔士SAGAとセットで購入した記憶があります。さて、筆者は結局使用しなかったのですが、ゲームボーイの側面には端子がついていました。あの端子はゲームの歴史を変えた画期的な発明だったのです。
あれは、通信ケーブルコネクタ
ゲームボーイの側面についていた端子の正体は通信ケーブル専用コネクタでした。当初、任天堂は、あの端子の使い道を想定していなかったそうですが、独創的なアイデアになるかも知れないという開発陣の漠然とした意図で実装されたそうです。
ゲームボーイの可能性を爆発させたテトリス
見切り発車で実装された通信ケーブル専用コネクタですが、ゲームボーイが発売されて2カ月後、ゲームボーイの売り上げを飛躍的に伸ばす事になるソフトが発売されます。それが、世界的な大ブームを起こしたパズルゲームテトリスです。それまでのファミコンでも画面を二分割した対戦ゲームは存在しましたが、ゲームボーイは通信ケーブルを通じて、別々の画面でテトリスの対戦を楽しめるようになったのです。連鎖で自分のゲームボーイモニターから消したブロックが通信ケーブルを通して相手のゲームボーイ画面に出現した時の興奮を鮮明に覚えている方も多いのではないでしょうか?現在では当たり前になったインターネットを介したゲームが、有線ではありますが実現した最初がゲームボーイだったのです。
ポケモンの大ヒット
通信対戦の面白さがゲームボーイ人気の核となり、各ゲームメーカーは次々と対戦型ゲームを発売しました。それらの対戦型ゲームが出尽くして、いよいよゲームボーイの人気も落ちてきていた1996年、再びゲームボーイ人気を延命させるソフトが登場します。それがポケットモンスター赤・緑です。ポケモンと呼ばれるモンスターを画面上で呼び出して対戦させるこちらのゲームは、通信ケーブルを通じてお互いが持っているポケモンをもらったり与えたりできるシステムにより爆発的なヒットを記録します。ポケモンの人気がいかにスゴイかは、現在でも新作映画が出続け、ゲームが出続けているのを見ても分かります。
謎の端子が通信対戦の扉を開いた
ポケットモンスターは通信対戦ゲームの革命児ですが、そもそもポケモンはゲームボーイの側面の通信ケーブル専用コネクタが実装されなければ、開発そのものがなされなかったでしょう。何の役に立つか不明だけど可能性を信じて実装してみたゲームボーイ側面の謎の端子は、ゲームの世界に革命を起こす大発明になったのです。
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