フィリピンのマルコス大統領は6月27日、中国海警局船の衝突で自国軍兵が重傷を負った南シナ海の事件について、中国の「違法行為」への抗議のみならず、それ以上のことをする必要があると指摘しました。エスカレートする中国の違法行為に対し釘を刺す狙いがあると考えられます。
発砲ではないが重大な違法行為
マルコス大統領は、6月17日に南シナ海で中国海警局船の衝突でフィリピン将兵が重傷を負った事について触れ、中国海警局の行動は発砲はないため武力行使とは言えないが、フィリピン軍の補給を妨害する意図的行動だと非難しました。そして、これまでも中国当局には百回以上の抗議を繰り返してきたが、今後はそれ以上の事をする必要があると中国側を牽制しています。
フィリピン国防相はアメリカと電話対談
今回の事件を受けてフィリピンのテオドロ国防相とアメリカのオースティン国防長官は電話対談。アメリカ防総省は「国際法が許す限り、安全かつ責任をもって飛行、航行、作戦をおこなう権利を全ての国が守る事の重要性について話し合った」と発表し中国を暗に非難しました。
領土問題には介入したくないアメリカ
もっともアメリカとしては、フィリピンと中国の領土問題に介入する事には消極的でロムアルデス駐米大使は領有問題の解決ではなく、緊張緩和のための協議を中国当局に申しいれたと明らかにし、来月初めにもフィリピンと中国間で会談が実現する事を望んでいると述べています。
▼こちらもどうぞ