アメリカペンシルベニア州で7月13日、トランプ前大統領が選挙集会で演説していた所会場から数回の発砲音がありました。トランプ前大統領の暗殺を狙ったと見られるこの事件、容疑者はシークレットサービスに射殺され真相が完全に解明される事はなさそうですが、11月のアメリカ大統領選を大きく左右する事は確実です。
英雄になるトランプ元大統領
トランプ元大統領は銃弾が耳をかすり出血しましたが、すぐに拳をかかげ警護スタッフに囲まれて会場を去りました。この時の写真は、トランプ氏の息子のエリック・トランプ氏がすぐにSNSに投稿し、これこそアメリカに必要なファイターだとの文章が添えられました。アメリカにおいて大統領の暗殺事件は、16代リンカーン大統領、20代ガーフィールド大統領、25代マッキンリー大統領、35代ケネディ大統領と4例あり、未遂を含めれば、さらに多くの数になります。アメリカ人は自由と民主主義を守るために命を懸ける勇気ある大統領を好むので、トランプ元大統領にとって、今回の事件は選挙戦を戦う上では有利に働くでしょう。
トランプ批判が封印されたバイデン陣営
今回の銃撃事件を受けてバイデン大統領はすぐにテレビ出演し、アメリカではこのような政治的暴力は許されないと述べ、トランプ元大統領の病状について心配し、この夜の間に直接話をしたいとコメントしました。事件を受けてバイデン氏の選挙対策本部は、すべての政治的な発信を一時停止、テレビ広告もできるだけ早く取り下げるとしています。アメリカの政治宣伝は、ネガティブキャンペーンが有名であり、現状でトランプ元大統領を批判すると国民の反感を買うと判断したのでしょう。それに替わり、バイデン陣営は政治的な暴力は許されないとする論陣を張り、トランプ元大統領を暴力から言論の自由を守ったとして間接的に賞賛する方向にシフトするでしょう。
新たなネガティブキャンペーンに突入か?
こうして、トランプ元大統領銃撃事件を民主党、共和党関係なく、言論の自由への挑戦だと非難する一方で、トランプ元大統領に近い人々や支持者の一部からは、今回の銃撃事件はバイデン氏に責任があるとする声が上っています。ネガティブキャンペーンはお互い様ですが、すでに容疑者が死亡している以上、トランプ大統領銃撃の引き金が何であるのかは分からないでしょう。しかし、共和党陣営からバイデン大統領が銃撃事件の発生に責任があるとの声が出ると、民主党陣営も反論せざるを得ず、選挙の争点からズレたネガティブキャンペーンの応酬が、しばらく後には再開されるかも知れません。
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