8月6日から開始されたウクライナ軍のロシア南西部クルスク州への越境攻撃は、その狙いを完全に果たしそうです。リトアニアの国防相やウクライナ軍司令官によると、ロシア軍がウクライナ各地やバルト海に面するカリーニングラード州から兵士をクルスク州に移動させている事が明らかになりました。
クリミアやハルキウからロシア軍が移動
8月6日の初日から越境攻撃に参加し、14日にウクライナ、スーミ州に戻ったウクライナ軍大隊を率いる司令官によると、クルスク州でのウクライナ軍の攻勢を止めるためにロシア軍がウクライナのザボリージャ州やクリミア、ハルキウ州から部隊を移動させている情報をウクライナ軍は持っていると明らかにしました。司令官は国内各地で戦うウクライナ軍にとってロシア兵の移動は有利に働くと指摘しましたが、ロシア兵のクルスクへの移動は越境攻撃中のウクライナ軍の攻勢を難しくするとも述べています。また、大隊司令官はクルスクのロシア軍部隊は完全に油断していて、ウクライナ軍の急速な進撃に衝撃を受け、自ら投降するロシア兵もいたと明かしました。
飛び地カリーニングラードからも部隊移転
また、リトアニアのカシュウナス国防相は8月13日、ウクライナのゼレンスキー大統領との協議の席で、ロシア軍が部隊をカリーニングラードからクルスクに移動させている様子を目の当たりにしていると述べました。この協議の様子はSNS「テレグラム」で公開されています。カリーニングラード州はポーランドとリトアニアの間に位置するロシアの飛び地ですが、カシュウナス氏がロシア軍の移動について根拠になる映像などを示したかどうかは不明です。
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