食通で知られる北大路魯山人の一番の好物は卵かけごはんだったそうです。魯山人に限らず、日本では生卵を使った料理は多いですよね?牛丼には生卵をかけないと食べた気がしないという人もいますし、うどんにも卵を落して月見うどんにしたりします。しかし、こんな風に加熱しない卵を食べるのは、世界でも稀な習慣って知っていますか?
海外では生卵は感染症を招き危険という認識
海外では、卵ばかりではなく生の食材は一般的に敬遠されます。それは、生の食材には細菌がついているのが常識だからです。鶏の卵にも、糞便とともにサルモネラ菌が付着する事がよくあり、それを食べて食中毒を起こすケースが過去に多かったからです。そのため、海外では卵は火を通して焼くか茹でるのが当然で、そのため、卵の賞味期限は数ヶ月に設定されています。
潔癖な日本では卵が徹底的に品質管理される
では、どうして日本では生卵を食べる事が出来るのか?それは日本の卵に対する品質管理が厳しいからです。日本では法律で鶏舎の環境を整える事が義務付けられ、出荷する際には、鶏卵の殺菌と洗浄が必ず行われます。これは日本では生食を前提に食品の安全基準が設定されているためで、卵の賞味期限が2週間前後と短いのもその影響です。
法律を守る律儀な精神が卵の生食を維持する
もっとも、いくら国が厳しい衛生基準を設けても生産者が儲け第一主義で、基準を疎かにすれば卵の生食は怖くてできません。しかし、日本では法律を守る律儀な人が多いので自主的に衛生管理を徹底していて、私たちは安全に卵の生食が出来るのです。
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