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子玉、城濮の戦いで敗戦し自殺する
子玉は喜び勇んで、楚の三軍を指揮して、城濮(じょうぼく)で晋の文公に挑みます。
しかし、所詮子玉は文公の敵ではなく、あっという間に三軍は破られます。
子玉は、命からがら楚に帰りますが、王命に逆らい軍を動かし、
大敗した事で責任を問われ自殺して果ててしまうのです。
結局、蔿賈の予言は成就してしまったのです。
文公は子玉が死んだ事を知り大喜びする
一方で晋の文公は、大勝利にも関わらず、浮かない顔をしていました。
「子玉は粗削りとは言え、中々の猛将、今度は名誉を回復しようと必死で来るから
手ごわい相手になるであろう・・一匹の鼠でさえ、猫に追いつめられれば
死ぬ気で反撃するものではないか、ましてや人間をや・・」
ここで、文公が言った言葉が「窮鼠猫をかむ」の故事の元です。
ところが、やがて子玉が自殺したというニュースが飛び込んできます。
そこで、文公は手を叩き、
「これで私を害するものはいなくなった」と喜んだのです。
蔣琬は、馬謖と子玉を重ねてワンチャンスと願った
蔣琬は、この時の文公の言葉を引いて、馬謖を殺す事なく、
チャンスを与えるべきだったのでは?と孔明に問います。
しかし孔明は、只今は乱世であるのに、法の執行を緩くしては
戦う事はおぼつかない、孫武(そんぶ)が呉王を覇者にしたのも、
法を厳しくしてきたからであると涙ながらに語りました。
習鑿歯は手厳しい
一方で、東晋の役人であった習鑿歯(しゅうさくし)は孔明に厳しいです。
「そもそも、蜀が天下を取れないのも当然だ、馬謖のような有能な人を
一度の失敗で殺してしまったからだ。
そうでなくても、西のはずれの小国なのに、自分から人材を減らした
それでは、天下が取れないのは仕方がない。
晋は荀林父(じゅんりんほ)が、楚の荘王(そうおう)の軍に敗北しても
後日の勝利を信じて生かし、荀林父は、この期待に応えたではないか?
一方で楚の成王は子玉を一度の敗戦で自殺させ、結局、晋の文公を
喜ばせてしまったのだ!!」
孔明のやっている事は、成王と同じ事だと習鑿歯は言っています。
三国志ライターkawausoの独り言
法を重んじて失敗したら処刑か、見込みがあるのを信じて、
法を曲げてワンチャンスを与えるかは、難しい所ですよね。
第一、誰でも見込みがあるわけではないので、敗戦の内容によって、
助命する人物と殺してしまう人物が出てきてしまいます。
すると、同じ敗戦で助かるヤツと殺されるヤツがいるのは、
不公平であるという不満にも対応しないといけないでしょう。
それを考えると、色々問題はあっても、誰であろうが、
敗戦は死刑の方が、組織を動かすには向いていると思います。
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