戦国四君の中で最大の食客と人望を持った四君である孟嘗君(もうしょうくん)
彼は斉王と喧嘩をして宰相の位を追われてしまいます。
この時孟嘗君には3000人もの食客がいたのですが全員いなくなってしまいます。
しかし一人だけ孟嘗君の元を離れずにいたのが馮驩(ふうかん)です。
彼は孟嘗君の元に留まり、そのまま彼が宰相へ戻れるように再起の策を提案した人物でした。
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宰相罷免
斉の貴公子である孟嘗君は諸侯からも人望がある人物で、
彼が動けば天下の諸侯は全て彼に付き従うほどの人物でした。
そんな彼を見て嫉妬していたのが斉王です。
斉王は諸侯から「斉は孟嘗君のおかげで成り立っている」と噂されていることを知ります。
そのことに対して孟嘗君にイラついていた斉王は孟嘗君に難癖を付けて、
宰相の位から引きずり下ろしてしまいます。
孟嘗君はこの事を領地である薛(せつ)で知ると大いに腹が立ち壁に向かって
陶器を投げて八つ当たりをしていたそうです。
食客達がいなくなる
孟嘗君が宰相を罷免させられた事を知った食客達は一人ずついなくなってしまいます。
そして日に日に減っていく食客達の数を見て大いに落胆した孟嘗君は
ため息ばかりをついておりました。
そして数ヵ月後には誰ひとりとして食客は残らず、全て彼の元から去ってしまいます。
この事を知った孟嘗君は天を仰いで嘆きますが、家の中で一人の人物が座っておりました。
役立たずの馮驩
孟嘗君は家の中に目を凝らすと一人の人物が立ち上がって、彼の元へやってきます。
この人物は孟嘗君の食客となってそこそこの年月を過ごしておりましたが、
他の食客達のように活躍することなく、また仕事もしなかったため、
他の食客から「ただ飯食いの役立たず」と陰口を言われている馮驩でした。
彼は孟嘗君に「宰相へ戻るための策をお教え致しましょう」と言って彼のために色々と画策します。
そしてこの作戦は成功し、孟嘗君は再度斉の宰相へ返り咲くことになります。
食客達が再び戻ってくるが・・・
孟嘗君はこうして宰相へ返り咲きますが、内心イライラしておりました。
彼は馮驩が散って居なくなった食客達を呼び戻していたからです。
孟嘗君は政務を終えて家に帰ると早速馮驩を呼んで「あいつら帰ってくるのはいいが、
どの面下げてわしと面会するのであろうか。」と馮驩へ話しかけます。
すると彼は「殿。市場で人が集まってくるのは物が大量に売っているからで、
店を閉めたら誰もきません。
人間関係も同じようにお金を持っている人のところには色々な人材が集まってきますが、
お金がない人のところには人材は集まってきません。
今食客達が居ないのは殿にお金がないからです。彼らを恨んではなりません。」と述べます。
この言葉を聞いた孟嘗君は大いに納得し、
食客が戻ってきても嫌な顔せずいつもどおりに向かい入れます。
春秋戦国ライター黒田レンの独り言
馮驩が残したこの名言は「富貴(ふうき)なれば士多く、貧賎(ひんせん)なれば友すく無きは
当然である」と伝わっております。
この名言はいつの時代になっても通用する名言であると私は思います。
現代でもお金のある議員や地主、国会議員、芸能人でもお金のある人のところにはたくさんの
人が集まってきています。
そのため議員として当選できなかった人や芸能人で稼げなくなった人、
地主としてなにかの理由でお金が無くなった人のところには、
あまり多くの人は寄り付かなくなってきます。
その原因はその人物にお金がないからです。
彼の名言はまさしく人間関係の真理をついた至言であると私は思うのですが、
はじさんの読者の皆様はどのようにこの名言を捉えますか。
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