迷信を利用して統治を行った魏の西門豹(せいもんひょう)に迫る!

2017年4月5日


 

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西門豹

 

春秋時代が終わり、戦国時代へと突入するとさまざまな人材が出現します。

戦国時代初期の覇者は魏の国でした。

魏の君主である文侯(ぶんこう)は様々な人材を登用して魏の国を拡大していきます。

この時西門豹(せいもんひょう)という人物が文侯に登用されて、

その統治の仕方が各国の評判になっておりました。

彼が行った評判の高い統治方法とは一体どのようなものだったのでしょうか。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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民衆の苦情を聞く

民衆の苦情を聞く西門豹

 

西門豹は魏の文侯に仕えていた人物で、鄴(ぎょう)の県令として任命されます。

当時の鄴は趙(ちょう)・(せい)・衛(えい)の三国と境を接する重要な都市でした。

この都市を任された西門豹はまずこの地に住んでいる民衆からアンケートを取ることから始めます。

彼が行ったアンケートの内容は「今一番改善してほしいこと」です。

このアンケートには多くの民衆から改善してほしいことが書いてありましたが、

その中で一番多くの改善意見があったのは「河の神様へ娘を差し出さなければならない事」と

書いてありました。

西門豹は改善してほしいことにあった内容がよくわからなかったため住民の代表である

長老を呼び説明を促します。

すると長老は「河の神様へ娘を毎年差し出さなければならず、

他にも民衆から多くの金を持って行ってしまいます。

そのため鄴に住む民衆は皆貧乏で貧しい暮らしを強いられております。

この話を聞いた西門豹は長老へ「わかった。取り敢えずこの儀式が始める頃になったら

知らせてくれ」と伝えておきます。

長老は「かしこまりました」と述べて去っていきます。

 

儀式当日

 

西門豹は長老から「儀式の日がやってきました」と知らせが届きます。

この知らせを聞いた彼は儀式が行われる河へ役人と共に向かいます。

すると河には鄴の長老やこの地で儀式を行う巫女、儀式の主催者である三老、

豪族などがおり、多くの民衆達も儀式の見物人として駆けつけておりました。

彼はこの儀式を主催している老婆の巫女へ

「河の神様を呼ぶのであろう。呼んできてはくれないだろうか」と老婆の巫女へお願いします。

すると老婆は帳が張られている所へ行き、弟子の巫女を一人連れてきます。

西門豹は弟子巫女を見るとガックシして「おいおい。この娘のどこが美人なんじゃ。

今からあんたが河の神様の所へ行って可愛い娘を連れてくるから

しばし待たれよと伝えに行ってくれ」と言って老婆の巫女を河の中へ放り込むように役人へ指示。

老婆は抗いますが、役人達は黙ってこの老婆の巫女を河の中へぶち込みます。

 

次々と河へ使者を出す

 

西門豹は老婆が中々帰ってこないので老婆の弟子の巫女から一人選んで

「次はお前が伝えに行ってくれ」と言って河へ放り込みます。

しかしこの弟子も帰ってくることはありませんでした。

そこで彼はもうひとりの弟子を河の中へぶち込んでしまいます。

こうして彼は次々と河の中へ弟子を放り込んだ後、弟子が一人も帰ってこないので

老婆の巫女と一緒にこの儀式を主催していた三老達へ向かって

「女じゃダメなんだろう。お前たちが次にいけ」と言って三老達を河へぶち込みます。

もちろんこの老人達も河から帰ってくることはなく西門豹は次第にイライラしてきました。

そして豪族へ向かって「次はお前たちへいってもらおうか」と鋭い語気で伝えます。

すると豪族はビビってしまい、地面に頭を幾度も打ち付けて「助けてください」と述べます。

そのため彼は「わかったもう少しだけ待ってやろう」と言って彼らを助けます。

何時間待っても河へ投げ込んだ人達が帰って来ないため西門豹は民衆達へ

「もう疲れた。これでしまいじゃ。皆の衆はかえって良いぞ」と言って民衆達や豪族達を

返すことにします。

そしてこの様子を見ていた人達は二度と鄴で河の神様へ娘を差し出す行為をしませんでした。

 

戦国史ライター黒田レンの独り言

 

西門豹は迷信を使ってあくどい事を行っていた人々を一掃後、

住民達を使って用水路の工事を行わせます。

この結果農地は肥えて作物が育っていくようになり鄴の地は栄えていくことになります。

三国志の曹操のように邪教や迷信の類を破壊して統治することも必要ですが、

迷信を逆手にとって統治していくやり方も場合によっては、必要であることをご紹介しました。

 

参考文献 史記 司馬遷 奥平卓・久米旺生訳など

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

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