人気コミック『キングダム』を読んでいて、疑問に思ったことはありませんか?
「キングダムっていつ頃の時代の話なんだろう……?」
「三国志とキングダムって、どう違うのかな?」
簡単にひとことで説明すると、キングダムは春秋戦国時代の末期から秦の時代にかけて、三国志は三国時代の出来事を描いた物語……なのですが。
……これだけだと、どうにもピンときませんよね?
今回は諸子百家の活躍した時代でもある春秋戦国時代とその前後の時代について、
ざっくりと紹介してみたいと思います。
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この記事の目次
中国最古の王朝、『殷(いん)』について
中国の歴史上、実在していたことが確認されている最古の王朝は『殷』です。
(文献上は、殷の前に『夏』という王朝があったとされていますが、存在の実証には至っていません)
夏を滅ぼして殷が成立したのは、紀元前17世紀頃のことです。
殷の王朝は、複数の氏族による共同体で、基本的には非世襲(王位を親から子に継ぐのではなく、複数の氏族の者が交代で王位についた)であることを特徴としました。
殷王朝は600年にわたって統治を続けましたが、最後の王である紂王が、寵愛した妲己という姫の関心をひくために贅沢のかぎりを尽くし(『酒池肉林』という故事の元になっています)民に対して暴虐を振るったために諸侯の反逆を招き、紀元前11世紀に滅亡します。
殷王朝末期を舞台とした有名な小説が『封神演義』です。日本ではコミック化されたことで有名ですよね。
殷に変わって成立した王朝を周と言います。
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周王朝の繁栄と没落~春秋時代の始まり
殷を滅ぼし、新たに周王朝を成立させたのは、武王という人物でした。彼は太公望の異名で有名な呂尚を軍師とし、『牧野の戦い』と呼ばれる合戦で殷の軍勢を打ち破り、周を建国しました。
しかし、武王は建国してほどなく後に崩御してしまいます。武王を継いで王位に即位した成王は幼く、諸侯は不満を抱いて叛乱を起こしますが、武王の弟にあたる周公旦という人物が王に代わって政治を行う摂政の地位について叛乱を鎮圧、周の支配を確実のものとします。
成王と、その後をついた康王の時代、周は見事に天下を統治し、その威厳をあまねく天下に知らしめました。天下泰平の時代が続き、成王から康王に至る40年間の統治の間、一人として刑罰にかかったものはなかったと言われています。
しかし、紀元前7世紀になると、周王朝は東西に分かれて分裂、結局東の平王が打ち勝ちますが、周王朝の権威は失われ、諸侯が乱立する時代となります。平王によって成立した周を東周と呼び、この東周の成立以降の時代を春秋時代と呼びます。
春秋時代から戦国時代へ
春秋時代に入ると、周は一小国に没落してしまいますが、その権威はかろうじて生きており、この時代の諸侯は周の王朝を奉ってその権威を借りることで、諸侯に対して主導権を握りました。
しかし紀元前5世紀、春秋時代の列強の一国であった晋が韓・魏・趙の三カ国に分裂すると、その権威は完全に失われ、時代は完全な戦乱状態に陥ります。
この時代を戦国時代と呼び、春秋と合わせて春秋戦国時代とも呼ばれます。
この戦乱の時代に、国をいかに統治するか、その理想論と実践を説いた思想家たちが諸子百家でした。
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戦国時代末期~キングダムの時代
紀元前3世紀、戦国時代列強の中から強国として成り上がってきた国が秦です。
コミック『キングダム』は、後に秦の始皇帝として、中国史上初の全土を統一した皇帝となる人物、政の時代の物語です。
史上初の皇帝となった政でしたが、秦の支配の時代は長くは続きませんでした。
帝位についた政は法治主義によって人民を徹底した支配下に置く一方、阿房宮という巨大な宮殿を建設し、自らの権威を誇りました。この過酷な支配体制は後に諸侯が叛乱を起こす原因となります。
不老不死を望み、水銀を飲んでまで寿命をのばそうとした始皇帝でしたが、逆にそれがたたって(現代では水銀は毒として知られています)49歳で崩御。
権勢を振るっていた宦官の趙高が自分に都合の良い暗愚な胡亥を二世皇帝の地位につけ、彼を傀儡として暴政を奮います。
秦の暴政に耐えかねた諸侯は叛乱を起こし、結局滅ぼされてしまいました。
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