ハイ、それでは、三国志の世界をいろいろな角度から掘り下げていく
「ろひもと理穂の三国志のゴーギャンを探せ」のコーナーです。
人類史上、誰が一番絵が上手なのか。この問いに答えられる人はいますか?
鳥山明先生?・・・正解です。
では二番手は誰でしょうか?
ピカソ?確かに彼の「アルジェの女たち」という作品は1億7900万ドルで取引されましたからね。
別にお金で作品の価値は決まらないとは思いますが。
それを言ったら、デ・クーニングの「インターチェンジ」は3億ドルです。
1ドル111円として333億円ですね。ということは、
鳥山明先生の次に上手なのはデ・クーニングかな。
ちなみに三国志の時代のブームは山水画です。
曹操にも劉備にも「ドラゴンボール」は好評でしょうが、
「インターチェンジ」のような抽象絵画は受け入れられそうもないですね。
山水画に近い高額作品となると、ゴーギャンの「ナ・フェア・ファア・イポイポ」でしょうか。
背景に自然が描かれているし。
これもトレードは3億ドルという噂です。
前置きが長くなりましたが、三国志史上一番絵が上手いのは誰だ。
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蜀の超有名人のあの方
いきなりですが、諸葛亮孔明ですよ。
息子の諸葛瞻と並んで上手といわれていました。
南征でゾトアドなどの異民族を平定したときに「夷図」という絵を描いて
文化についていろいろ授業をしたそうです。
本当かい!?って思う方は、唐の時代の張彦遠さんに聞いてみてください。
書画の物凄いコレクターです。
彼の著書の「歴代名画記」にそう書いてあるんです。
親子そろって絵が上手いって凄いですね。
魏ではなんとあの方です
作品がほとんど残っていないのでもう張彦遠さんの意見を鵜呑みにするしかありません。
魏で絵が上手だったのはなんと、曹髦(そうぼう)です。
え!?四代目皇帝じゃないですか。
唐の時代の画家である曹覇は曹髦の子孫であると自称しています。
誇りに思っていたのでしょう。
他に楊彪の息子の楊脩も上手だったそうです。楊脩って何気に凄いんですよ。
あの禰衡に文章をベタ褒めされていますし、荀彧にも認められています。
曹操にもかなり警戒されていますね。
恐らく司馬懿以上に曹操が警戒していたのは楊脩でしょう。
今度詳しく記事を書きます。とにかく楊脩は多方面で一流だったんですね。
どんな絵を描いたのか興味があります。
呉が一番凄いのかな
では、呉では誰が絵が上手だったのでしょうか。
張彦遠さんが言うには、曹不興と趙夫人だそうです。
曹不興は呉の「八絶」に選ばれています。
八絶とは、曹不興の他、以前に紹介した書道の皇象、囲碁の厳武、
夢占いの宋寿、人相占いの鄭嫗、星占いの劉惇、風占いの呉範、
算術の趙達といった芸術や技芸に優れた八人を指します。
曹不興の描いた絵は、墨の一点すらも本物のハエと孫権が見誤ったくらいだったそうです。
これは孫権の依頼を受けた曹不興が、間違えて屏風に墨を一滴落としてしまったときの逸話です。
臨機応変にそれをハエとして描いたら、そのままの作品がまかり通ってしまったと伝わっています。
多分、描き直すには手遅れなくらい完成間近だったのでしょう。
ちなみに仏教の絵を最初に描いたのも曹不興だそうです。
6世紀ごろの画家で評論家の謝赫は、この曹不興の絵が最高級だと評価しています。
三国志ライター ろひもと理穂の独り言
そんなわけで三国志史上最も絵が上手だったのは、曹不興に決まりました!!
タイトルを見て、きっと曹操でしょ。
って思った皆さん、残念。曹植って思った皆さんも残念。曹髦だと思った皆さんは惜しい!!
気にはなりますが、曹操の描いた絵が上手だったのかはわかりません。
きっと上手だったと思います。曹操は器用なんで。
曹操の墓の于禁の絵は誰が描いたんでしょうね。
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