盲目のスナイパー都丹暗士の襲撃を露天風呂で受けてから続いたゴールデンカムイ
主要男性キャラの夏の全裸祭(笑)も前回でフィナーレ、今回から、のっぺら坊が
収監された網走刑務所に近い北見から物語は始まります。
アイヌを惨殺して砂金を隠した、のっぺら坊は本当にアシリパの父なのでしょうか?
この記事の目次
ゴールデンカムイ125話 フチの子守唄から今回はスタート
フチが収穫をしながら、赤ちゃんに子守り歌をうたいます。
「ホルルルルッ イテキチシノ モコロモコロ
エモコロヤクネ エコロミチカ エコロハポカ
ネブキヤクネ ソモイペルスイ エキナンコンナ
ニシパエネクニ カムイエヌカラ キクスネナ
モコロモコロ イテキチシノ モコロモコロ
オンタロシク オハンヤン オハヨ」
訳:泣かずにねんねしな、ねんねしたなら、
お父さんもお母さんも 働けるから
ひもじい思いはしないよ
立派な人になれるように 神様見ていて下さい
ねんねん、泣かずにねんねしな
樽がいっぱいだ お空けなさい
ゴールデンカムイ125話 アシリパと杉元が山道を歩く
アシリパ「今頃フチ(お婆ちゃん)は穀物を収穫しているんだろうな
大きな袋が、ピヤパ(ひえ)ムンチロ(あわ)で一杯になる
空には雁が渡ってきて子供達が追っかける」
二人の背後では、アイヌの子供達が、雁を追いかけながら
「エムシランケ落とせ、タマランケ落とせ」と歌っています。
エムシランケとタマランケとは、アイヌが秋に遡上してくる鮭を獲り
和人に売って手に入れる商品で、エムシランケは男性用の儀式刀、
タマランケは女性用の首飾りの事を意味しています。
アイヌの言葉では鮭はカムイチェプ(神の魚)または、
チュクチェプ(秋の魚)と呼んでいます。
また酒や食べ物を貯蔵する漆器であるシントコは
鮭100匹と交換するアイヌの必需品でした。
このようにアイヌの生活は鮭と切り離せないとアシリパは語ります。
ゴールデンカムイ125話 ドングリは茹でてから渋を抜くと甘い
アイヌの子供達は、ニセウトゥイナーフィーと歌います。
ドングリが落ちているよという意味ですが、そのままでは渋いドングリも
茹でて渋を抜くと甘くなりシントコに保存しておやつにしたり挽いてお餅にもします。
ヒグマも冬眠前のこの時期に、ドングリをよく食べるようです。
ゴールデンカムイ125話 食べ過ぎると肛門が痒くなるクッチ
ここで、アシリパが山ぶどうを見つけます。
「見ろ杉元、ハッ(山ぶどう)だ
私の靴はこの山ブドウの蔓で編んだものだ
カムイ(神)がこの蔓を耳たぶに下げた
私達の耳環はそれを倣ったものだ」
「小さい頃、耳たぶに穴を空けると
塞がらないように山ぶどうの蔓を通しておく
杉元、アレ取ってくれクッチ(サルナシ)だ
酸っぱくて元気が出るぜ」
杉元とアシリパは黙々と山ぶどうとクッチを食べ始めます。
アシリパは杉元にハッを食べ過ぎると、舌が痛くなるから
食べ過ぎるなとアドバイスを与えます。
杉元「サルナシの蔓はかんじきになるんだよな?アシリパさん」
アシリパ「そうだ!よく覚えていたな」
クッチは、サルナシ或いはコクワと言い、キウイのような味がします。
酸味は強いようで、発酵させて果実酒にするようです。
蔓から出る樹液はかんじきになる以外にも、薬になります。
杉元「クッチ美味しいよ、アシリパさん、とっても甘い」
アシリパ「クッチはヒグマも大好物で
この時期沢山食べるんだ
いっぱい食べろ杉元、クッチは食べ過ぎると、
肛門がとても痒くなる、もっと食べろ杉元」
山ぶどうは、舌が痛くなるから食べ過ぎるなと言ってたのに
クッチは肛門が痒くなるから、もっと食べろって不思議です。
しかも肛門って、、アシリパが「さん」づけされる理由が分かります。
ここでアシリパは東のアイヌは、野イチゴを鮭イチゴと言い、
野イチゴが赤くなる頃には、鮭が遡上してくるサインにしていた事、
またホザキシモツケの花が散る事を鮭が遡上するサインとしている
部族もいる事を杉元に説明します。
杉元「そうやってアイヌは鮭を待ち望んでいたんだねェ」
ゴールデンカムイ125話 鮭はカムイからの贈物
次はキロランケが、アイヌが鮭を獲る時に使う銛、マレクを説明します。
マレクは突き刺す時は銛で、魚を引き上げる時には先端が回転して
鉤になる道具です。
また、鮭の頭を叩いて殺すのも何でも良いわけではなく、
イサバキクニというなづち棒を使うと言います。
イサバキクニで殺された鮭は、これを咥えて喜んでカムイ(神)の元に戻りますが、
石や腐った木で撲殺された鮭は、悔し涙を流してカムイに戻り、その事を
言いつけるので、怒ったカムイが鮭をばらまく袋を閉じて、
アイヌに厳しい冬の間、ひもじい思いをさせると信じられていました。
鮭と鹿は、北海道には大量にいて、アイヌは、それをカムイが天から、
与えてくれる自分達の食料だと考えていたのです。
しかし、だからと言って、鹿や鮭を粗末に扱ったり、自然を汚すと、
カムイが怒って、鹿や鮭をばらまかなくなり、飢えという罰を与えるので
アイヌは自然を守り、生きとし生けるものに畏敬の念を持つ考えを
育んできたのでした。
ゴールデンカムイ125話 すべての知識は父が教えてくれた
今度はアシリパが、ヒグマの巣穴が近い痕跡を見つけます。
アシリパ「見ろ、杉元、尾根じゃない立木に
ヒグマが爪で横に引っ掻いた跡がある
これは熊同士に通じる印で自分の領域を
知らせるものだ
チセシロシ(家の印)と猟師は呼んでいる
近くにヒグマの巣穴があるからだ」
「この辺り一帯の笹が刈り取られている
ヒグマが冬に備えて巣穴に運び込んだからだ
かなり巣穴が近い証拠だ
この時期は、サルナシの実ばっかり食べて
肉がクッチみたいな味のするクマもたまにいる
どうする獲ってみるか?杉元」
杉元「いや、俺クッチでいいわ チュパ」
今回、杉元、かなりやる気がないです。
前回の全裸の死闘の疲れが抜けていないのでしょう。
やたら、甘いモノを食べていますし・・
「雪が降りだすと、ヒグマは
サルナシや山ぶどうの蔓の堅い皮とかを
食べるようになる肛門に栓をする為だ、
その頃にはお腹がからっぽになってる
それで穴に籠る準備が完了だ」
杉元「本当によく知っているね、アシリパさんは・・」
杉元が言うと、アシリパは浮かない顔になります。
「全部アチャ(父さん)が教えてくれた
山の事もアイヌの事も全て・・・
杉元・・私は怖い・・
アイヌを殺して金塊を奪ったのっぺら坊が
私の父だったらどうしよう」
ゴールデンカムイ125話 過去と現在と未来が交錯する網走監獄に迫る
舞台は網走監獄の外壁を流れる川に移ります。
鮭漁用の小舟には、土方、谷垣、キロランケが変装して乗り込んでいて、
土方は網走監獄の外壁に鋭い視線を向けています。
かつて土方は、ここで長い間、模範囚人として過ごしていました。
いえ、土方だけではありません、のっぺら坊によって、砂金の隠し場所を
刺青として彫られた二十四名の囚人も全て、網走監獄からの脱獄でした。
典獄の犬童は、囚人を鉱山会社に貸し付けて、マキシマム機関銃まで
購入して警戒を厳重にしています。
ここでは、多くの仲間の命が散るかも知れません。
杉元「アシリパさん、ここまで来たらもう会うしかない
何があっても、最期まで俺がついてるから」
次号から、いよいよ、過去と現在と未来の交錯する
網走監獄の死闘が開始されます・・
ゴールデンカムイライターkawausoの予想&独り言
気になるのは、124話で、スパイ疑惑のあるインカラマッと
キロランケの写真を自然に手に入れる為に、廣瀬写真館で
メンバー全員が記念写真に収まっている事ですよね。
しかも、ここ、廣瀬写真館は、田本研造という人が明治の初期に開いたもので
あの軍服姿の土方歳三は、田本が撮影したものなのです。
史実では、その写真の撮影後、土方はほどなく函館戦争で死んだ、、
そして、漫画においての土方は、ここで40年前と変わらないポーズで
写真に収まっている。
という事は、死に場所を得なかった、土方の死に場所は網走監獄なのか?
ちょっと気になる暗示ですね・・