新選組といえば、2004年の大河ドラマ『新選組!』だけでなく、様々なドラマや映画でも取り上げられていて歴史ファンの間で人気があります。2018年1月から『刀剣乱舞 花丸』というアニメも放映されています。このアニメについては実在した刀剣がキャラクターの名前になっているのが特徴として挙げられます。これらのキャラクターは刀剣男士という言い方をします。今回は、『刀剣乱舞 花丸』のファンで歴史上の人物が実際に使用した刀剣に興味がある人を対象に、新選組の局長近藤勇の愛刀「長曽弥虎徹」、土方歳三と沖田総司の愛刀を紹介します。
近藤勇とは
『近藤勇の池田屋事件での活躍とは?』で近藤勇の略歴を紹介しています。1834年に現在の東京都調布市に生まれました。百姓の宮川家の3男として生まれ、勝五郎と名乗っていました。天然理心流剣術道場・試衛館に入門し、剣術の腕を磨きます。その後、近藤家の養子となり、近藤勇と名乗りました。
近藤勇らは14代将軍徳川家茂の上洛を警護する浪士組に応募しました。近藤を含む試衛館の8人が浪士組に応募し、採用されました。浪士組は後に新選組になり、会津藩主で京都守護職の松平容保のもとで京都の討幕派の動きを取り締まる役割を果たします。
新選組は長州藩士が集まっていた池田屋を急襲したことで有名になり、最強の剣客集団として評価されました。大政奉還後は戊辰戦争で旧幕府軍とともに戦いましたが、甲州勝沼の戦いで敗れ、新選組の局長近藤勇は捕らわれて処刑されました。
近藤勇の愛刀「長曽弥虎徹」とは
長曽弥虎徹は長曽弥興里が作った刀です。長曽弥興里は1655年頃に江戸に出て刀鍛冶になりました。江戸に出た頃は50歳のときでした。近藤勇は長曽弥虎徹を愛刀として使っていました。池田屋事件のときにも虎徹を持って乗り込んだと言われています。
新選組の他のメンバーの刀とは
新選組の土方歳三と沖田総司の性格と刀について取り上げます。まず、土方歳三について取り上げます。土方歳三の性格は人をイバラのように痛めつける乱暴者でした。愛刀は和泉守兼定で、会津兼定11代目和泉守兼定が京都で作った刀です。八月十八日の政変、池田屋事件、禁門の変(蛤御門の変)で使ったと考えられます。
次に、沖田総司について取り上げます。沖田総司は剣の腕については凄腕として知られていて、新選組の外からもよい評判がありました。人柄についてはよく冗談を言い陽気だったと言われています。沖田総司の愛刀は菊一文字則宗で、備前国の刀工である則宗が作ったとされていますが、「菊一文字」は実在しないと言われています。実際に使っていた愛刀は加州清光ではないかと考えられます。
「長曽弥虎徹」の現在は
近藤勇の愛刀・長曽弥虎徹はどこで見ることができるのか気になると思います。現在、山口県岩国市の岩国美術館で寛文12年から13年にかけて作られたと伝えられる「長曽弥虎徹」が常設展示されていて、そこで見ることができます。
幕末ライターオフィス樋口の独り言
今回の記事では、新選組局長・近藤勇の愛刀「長曽弥虎徹」、新選組副長・土方歳三の愛刀「和泉守兼定」、沖田総司の愛刀「菊一文字則宗」について取り上げました。2018年1月から『刀剣乱舞 花丸』というアニメでは、歴史上の人物が実際に使用したと伝えられる名刀が刀剣男士としてキャラクターになっていることから、刀に関心を持つ人が増えると予想されます。
新選組の近藤・土方・沖田以外で、隊士が実際に使用した刀や刀以外の武具にも注目したいと思います。新選組だけでなく、幕末に活躍した薩長の藩士や、幕府の役人が実際に使用した刀や武具にも注目したいと思います。
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