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中国人のオシャレアイテム冠の歴史を語ろう




杜甫

 

詩聖・杜甫(とほ)の「春望」は日本人でも知らない人はいないほどの名作です。

中学校の国語の教科書には必ずと言っていいほど掲載されていますよね。

 

その「春望」の最後は

「白頭掻かけば更に短く、渾べて簪に勝えざらんと欲す」

という言葉で締めくくられています。

 

白髪頭をかけば指に髪が絡むほど抜け毛が酷く

、かんざしも挿せないほど髪が薄くなってしまった。

髪が白くなった上に禿げてしまうほどの心労…。

 

想像しただけで胸が苦しくなりますよね。

でも、当時の人たちはこの聯を読んで私たち以上に胸を痛めたことでしょう。

なぜなら、簪を挿せないということは、冠もまともにかぶれないということだからです。

 

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関連記事:関羽もメロメロ(死語)武神の心を掴んだ杜夫人は人妻!

 

 

なぜ皆冠をかぶっていたのか?

袁術

 

「弱冠」という言葉があるように、男子は成人すると冠をかぶることが『礼記』に記されています

特に、儒教が国教として採用された漢代以後は猫も杓子も冠をかぶって歩くようになりました。

 

 

どんな冠があったのか?

どんな冠があったのか?

 

冠には様々な種類があります。

庶民が身につけていた布でできた(きん)

 

ただし、位の高い人たちでもオフのときはこれを身につけて家で寛いでいたと言います。
黄巾の乱で暴れまわった賊も黄色の巾を身につけていたと言われていますよね、

 

そして、(かん)

普段、士大夫が身につけている、金属でできた冠でした。

士大夫が一般人に格の違いを見せつけられるアイテムですね。

 

簪を挿して髪にしっかり固定することでかぶれる冠ですから、髪の毛が薄いとうまくかぶれません。

そのため、杜甫は髪が薄くなって冠がまともにかぶれないと嘆いていたのです。

 

祭事があるとき、士大夫は(べん)という動物の皮でつくられた冠をかぶります。

ちなみに、皇帝は普段この弁を身につけていました。

皮は鹿のものが多かったようです。

装飾の無い地味なものから、宝飾品を綺麗にあしらった豪華絢爛なものまで

様々なものがあったようです。

始皇帝

 

最後に、皇帝をはじめとする身分の高い人だけが身につけることを許された(べん)

前と後に簾のようなものが垂れているあの冠です。

簾の数は何やら決まりがあるようで、皇帝の冕には最高で前後に12本ずつ簾がついています。

本当に特別なときにしかかぶらない冠だったそう。

 

日々の生活を工夫で楽しくする『三国志式ライフハック

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冠をかぶらないのはズボンをはかないのと同じ

禰衡

 

三国時代の隠者に焦先という人物がいました。

彼は戦乱を避けて山に棲むようになり、草で編んだ粗末な衣服を身につけて冠もかぶらず、

亡くなった人を埋葬して暮らしていました。

 

そんな彼を人々は気味悪がりますが、焦先はお構いなし。

 

ところが、そんな焦先が避けるものがあったのです。

それは女性。

 

冠をかぶらずに女性の前に出るということは、

股間を女性に晒すのと同じくらい恥ずかしいことだったようです。

 

世捨て人でさえ恥ずかしいのですから、一般人ならいわんやをやですよね。

 

冠文化は清朝に終焉を迎えた

辮髪

 

漢民族の成人男子の誇りの象徴ともいえる冠ですが、その伝統は清朝に終焉を迎えます。

清朝は女真族という異民族王朝。

 

彼らは漢化政策をとって自ら漢民族に歩み寄りましたが、

一方で漢民族に自らの文化を押し付けるという政策もとります。

 

その1つが薙髪令です。

漢民族の誇りともいえる髪を頭頂部を残して全て剃り上げ辮髪にするように命じたのでした。

辮髪とは『キン肉マン』に出てくるラーメンマンの髪型です。

 

これには人々も猛反発。

そんなことをしたら冠どころか簪も挿さらない!

そもそも親からもらった髪を傷つけるなんて不孝!

ギャースカギャースカ喚き散らす漢民族。

三国志モブ

 

ところが、儒教?何それおいしいの? といった具合の女真族は聞く耳を持ちません。

何でこいつらこんなに騒いでるんだ? とイラついた女真族はついにブチギレ。

 

「頭を残したければ髪を残すな! 髪を残すなら頭を残さないぞ!」

 

こうして漢民族は辮髪にせざるを得なくなり、冠文化に幕を閉じたのでした。

女真族にとっては髪を残すと兜をかぶったときに蒸れて気持ち悪いでしょ?

くらいのものだったのに、思わぬ猛反発が起こってびっくりしたでしょうね。

 

※この記事は、はじめての三国志に投稿された記事を再構成したものです。

 

元記事:被らないのは裸で歩くようなもの?中国人が被っていた冠は何?

 

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はじめての三国志 編集部

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