幕末に活躍した坂本龍馬は、日本の歴史上の人物の中でも屈指の人気を誇ります。坂本龍馬には、豪放磊落で身なりには無頓着なイメージがなんとなくあるのではないでしょうか?
しかし、坂本龍馬は結構お洒落でした。海援隊の隊士や妻のおりょうの証言が今も残っています。そして、現代では坂本龍馬の髪型もかなり人気があります。典型的なちょんまげではなく、くせ毛をオールバックにして、後ろで結わいているポニーテールのような髪型ですね。今回は坂本龍馬の髪型にまつわるエピソードを調べてみました。
この記事の目次
龍馬の髪型はいつからあの形になったのか?
坂本龍馬は写真が残っています。天然パーマっぽいくせ毛をオールバックにして後ろで結わいている髪型は多くの日本人がイメージできるものでしょう。ドラマや映画や漫画などでも、あの髪型のイメージで坂本龍馬は登場します。では、坂本龍馬はいつからあのような髪型になったのでしょうか。正式な侍の髷ではありませんね。
坂本龍馬は頭の一部を剃る月代を作らない「総髪」といわれる髪型です。江戸時代前期では医者、学者、神官などの髪型でしたが、江戸後期になると武士の間でも流行していきます。
坂本龍馬以外では、新撰組の近藤勇、土方歳三や徳川15代将軍の徳川慶喜も月代の無い髪形です。
坂本龍馬は、くせ毛が強く普通に髷を結うことが難しかったという話が伝わっています。そのため、あのような髪型だったのは子供のときからだという話もあります。しかし、有名な坂本龍馬の写真は光の当たり具合から朝方であり、くせ毛は寝ぐせだったのではないかという意見もあります。
坂本龍馬の残している写真の中にはきちんと直毛に見える写真もありますので、髷が結えないほどのくせ毛だったのかはよく分かりません。「総髪」は手間がかからず、しかも江戸後期には流行していた髪型ですので、おしゃれな龍馬はかなり早い段階からこの髪型だったのでしょう。
龍馬の自由奔放さを象徴するあの髪型。どれくらい自由奔放だったのか?
坂本龍馬といえば自由奔放というイメージです。あの髪型も龍馬の自由奔放さを象徴するかのようです。江戸時代という格式、形式を重視する時代にあって、坂本龍馬の自由奔放さが最も分かるのは、家族に送った手紙ではないでしょうか。
坂本龍馬が妻おりょうと登山旅行したことを姉の乙女に伝える手紙が今も残っています。江戸時代という枠の中に生きている人であれば、家族に送る手紙でもその書き方、きちんとした書き言葉で書くのが普通です。坂本龍馬はそのような決まりにとらわれず、話し言葉で手紙を書き、しかも山の様子を描いたイラストまで描いて手紙を送っています。同じ時代の人の手紙に比べてあまりにも自由奔放で型にはまってません。この手紙からも坂本龍馬が型にとらわれない自由奔放な考え方の持ち主であったことがわかります。
関連記事:坂本龍馬の身長は?本当は大きくないの?
関連記事:坂本龍馬の愛刀陸奥守吉行はどんな刀?
実は薄毛を気にしていた?龍馬の意外な秘密
坂本龍馬の写真は、よく見ると結構生え際が後退してるなと感じるものがあり、また、中には、おでこが広いのがハッキリ分かる写真も残っています。坂本龍馬と同時代を生きた「日本のルソー」と呼ばれる中江兆民は弟子の幸徳秋水に「坂本龍馬は梅毒で禿げてきていた」と語ったといいます。
梅毒は当時の江戸では結構な罹患率のあった病気です。しかし、中江兆民の証言以外に坂本龍馬が梅毒であったという記録は残っていません。ただ、生え際の後退する薄毛は、30代前半とすればかなり進んでいます。おしゃれを気にする坂本龍馬ですから自分の薄毛は相当に気にしていたでしょう。
死してなおあこがれの存在…現代人も認める龍馬の髪型の「カッコよさ」
坂本龍馬は歴史上の人物の人気アンケートをとるとほぼ上位にでてきます。また、坂本龍馬は写真が残っており、あの現代でも見かける髪型も結構人気があるようです。育毛会社の行ったネットアンケート調査では、坂本龍馬は歴史上のカッコいい髪型の人物として1位になっています。
ちなみに2位は土方歳三です。ふたりとも幕末の人物で総髪という髪型です。髷よりも現代風で、今でも長髪をポニーテールにしている男性はいます。坂本龍馬の髪型は時代の断絶を感じさせない、現代人も認めるカッコいい髪型ということになります。
歴史ライター夜食の独り言
坂本龍馬はくせ毛なので髷が結えなかったので、あのような髪型になったという話は広く伝わっています。しかし、現代に残る写真を見ると直毛にしか見えない姿もあります。ただ、今に残る坂本龍馬の写真から分かる髪形が、非常に現代的であり、それゆえに龍馬の自由奔放さ、時代の最先端をいく人物であったようなイメージを作っていったのではないでしょうか。
また、そのイメージ通りの時代の枠にはまらない自由な思考の持ち主であったことは間違いないでしょう。
関連記事:坂本龍馬の虚実入り混じった名言、そこまで言ってええんかい!