キングダム
官渡の戦い




はじめての三国志

menu

春秋時代

『論語』に見える親孝行のすすめとは?




kawausoと村人

 

大人になると、

「そろそろ親も年だし、親孝行しなくては…」

と考え出す人は多いようです。

 

「孝行のしたい時分に親はなし」

なんていう言葉もありますから、

思い立ったが吉日ということで

すぐにでも親孝行してあげて欲しいものです。

 

しかし、「親孝行なんぞくそくらえ!」

と思っている人もやっぱりいると思います。

今回は、親孝行という考え方はどこから来たのか

本来どのような概念なのかを紐解いていきたいと思います。

 

関連記事:人間はどう生きるべきか?孔子と儒教を紹介

関連記事:儒者っぽくない!?「四海皆兄弟」と言った孔子の弟子・子夏

関連記事:知らないと損をする!孔子に学ぶ健康法が参考になりすぎる!

 

 

儒教は害悪?

献帝をたかる李傕

 

そもそも、親孝行という概念は、

孔子(こうし)が興した儒教に端を発するものです。

 

儒教に関する経典には、

親は敬うものであり従うものだ

という記述があちらこちらに散りばめられています。

 

このために日本ではつい数十年前まで

子が親を殺した場合には尊属殺人として

重く罰することが求められていました。

 

しかし、この法律が違憲だという判断が下される事件が起こった際、

儒教に見える「孝」の概念について疑問視する風潮が起こります。

中にはハッキリと

儒教は害悪だ!

と言い切った人もいたことでしょう。

 

たしかに、「孝」という概念は

虐待事件や毒親の存在が世間を賑わせている昨今では

ナンセンスといえるでしょう。

 

しかし、儒教の祖である孔子が語った「孝」の概念は、

現代に伝わっているそれとは

ちょっと違うものだったのではないかと

『論語』を読めば読むほど思わずにはいられません。

 

 

『論語』で孔子が語った親孝行とは

『論語』で孔子が語った親孝行とは

 

『論語』において

孔子が「孝」という概念について説明している条は

学而篇に多く収録されています。

 

それらの中で最初に目に入るのは

「父在せば其の志しを観、父没すれば其の行ないを観る。

三年、父の道を改むること無きを孝と謂うべし。」

という孔子の言葉です。

 

家父長制度がとられていたその当時は、

子が親を差し置いて家のことを

好き勝手決めるようなことはできませんでしたから、

子は父が生きている間は

父がどのように家のことを取り仕切るのかを

見ていなさいと孔子は言っています。

 

そして、父が亡くなって3年の間

父のやり方を変えなければ

その子は「孝」であるといえると言っています。

 

「もし父親がとんでも無い奴だったらどうするんだ!

そいつの真似もするのか!」

という批判の声が上がりそうですが、

おそらく孔子は家庭のことを

よく切り盛りしていた「良き父」のやり方をよく見習い、

そのやり方を受け継ぐことができれば

孝行者といえると考えていたはずです

 

また、「孝」について弟子に問われた際には、

「生けるにはこれに(つか)うるに礼を以てし、

死すればこれを葬るに礼を以てし、

これを祭るに礼を以てす。」

とも語っています。

 

このように、

父親に従うにしても葬るにしても祀るにしても

礼によってしろと言っており、

「孝」とは存外、形式的なものなのかなと思わされます。

 

しかし、「孝」とは形ばかりのものではないということを

孔子は次のように語っています。

 

「今の孝は是れ能く養なうを謂う。

犬馬に至るまで皆な能く養うなうこと有り。

敬せずんば何を以て別かたん。」

 

最近では老いた親を養えば「孝」と考えている人もいるが、

ただ養うだけなら家畜にもできることだから、

親を尊敬する心も同時に持たなければ「孝」とはいえない

と言っているのですね。

 

また、「孝」について

「色難し」とも言っています。

「表情をつくるのが難しい」

とはどのようなことであるかというと、

親に愛情があれば自然と表情がやわらかくなるものだということです。

 

逆説的に考えれば、

親への愛情を持つことは難しいものだと

捉えることもできるのではないでしょうか。

 

これらのことに(かんが)みるに、

まず親が子に敬愛されるだけの人物でなければ

「孝」というものは存在しえないと

孔子は考えていたのではないでしょうか。

 

孔子の愉快な弟子たち『はじめての孔門十哲』
孔門十哲

 

親の愛に応えて自分を大切にするのが親孝行

親の愛に応えて自分を大切にするのが親孝行

 

孔子は孝について

「父母には()だ其の(しつ)をこれ(うれ)えしめよ」

とも語っています。

 

父母には病気のこと以外

心配をかけてはいけないという意味です。

もしくは、

「父母は唯だ其の疾をこれ憂う。」

と解釈されます。

 

父母は子の健康のことばかり心配しているから、

そのことに応えて

自分の身を大切にしなさいという意味ですね。

 

親というものは子供が病気になれば心配しますし、

そうでなくとも

子どもがずっと健康でいてくれることを願っているもの。

 

このように自分のことを気にかけて

愛してくれる親のためにも

自分を大切にすることこそが「孝」であると

孔子は伝えたかったのでしょう

 

三国志ライターchopsticksの独り言

三国志ライターchopsticksの独り言

 

親のために何か具体的にしてあげるべきだということを

少なくとも『論語』に見える孔子は語っていません。

 

むしろ、「孝」という概念は、

どこか受動的な印象を受けます。

おそらくそれは

「孝はまず、親の情愛ありき」

と孔子が考えていたからでしょう。

 

このことが広く世の中の人に知られれば、

「親孝行」がただの重圧ではなくなる日も来るのではないでしょうか。

 

関連記事:孔子・孟子・筍子?儒教(儒家)ってどんな思想?

関連記事:儒教(儒家)ってどんな思想?|知るともっとキングダムも理解できる?

 

劉邦 vs 項羽
楚漢戦争

 

chopsticks

chopsticks

投稿者の記事一覧

清朝考証学を勉強中。
銭大昕の史学考証が専門。
片田舎で隠者さながらの晴耕雨読の日々を満喫中。

好きな歴史人物:
諸葛亮、陶淵明、銭大昕

何か一言:
皆さんのお役に立てるような情報を発信できればと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

関連記事

  1. 孔子に一番叱られたペラペラが仇になった宰我 宰我、孔子 【孔門十哲】宰我(さいが)とはどんな人?孔子に一番叱られた弟子
  2. 関羽に無視される孫権 【春秋左氏伝】横恋慕から旦那と主君を殺し人妻をゲットした華父督
  3. 三国志ライター よかミカンさん 【東周英雄伝】古代中国好きの方にオススメのど迫力漫画
  4. 関羽に無視される孫権 【春秋左氏伝】兄弟思いの衛の二公子の切なすぎる顛末
  5. 『論語』は日本の偉人に大きな影響を与えていたって知ってた?
  6. 孔子と凄く仲が悪かった隠者とはどんな人達?
  7. 【春秋時代の覇者から学ぶ】桓公・勾践・呉起から学ぶ!明日から使え…
  8. 【孔門十哲】閔子騫(びんしけん)とはどんな人?いじめてくる継母も…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 日本に目指さした孫権
  2. 孔明君のジャングル探検
  3. 「斉」の旗を持った兵士
  4. 劉備 髀肉の嘆 ゆるキャラ
  5. 孔明
  6. キングダム52巻
  7. 土いじりをする劉備

おすすめ記事

  1. 三国同盟の終わりと武田信玄の危機 真田丸 武田信玄
  2. 劉備も孫権も黄巾賊と変わらない!三国志の蜀の皇帝劉備と呉の皇帝孫権は魏王朝から見たら黄巾賊と同じだった!? 曹操と黄巾賊
  3. 島津斉彬の急死は暗殺だったの?弟の久光が黒幕?
  4. 夷陵の戦いに至るまでの経緯は?夷陵の戦いまでの蜀の動きと経緯 二刀流の劉備
  5. 三国志演義と正史・汴水の戦いを比較 曹操様お守りします
  6. 【明智光秀の都市伝説】実は死んでいない明智光秀 明智光秀 麒麟がくる

三國志雑学

  1. 諸葛瑾と幼い頃の孔明
  2. 魏延
  3. 周瑜 周郎
“はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 出世した韓遂
  2. 李儒と董卓
  3. 嬴政(始皇帝)
  4. 孔融
  5. 劉禅と孔明
  6. 三国志の主人公の劉備

おすすめ記事

文帝(前漢) 前漢の文帝ってどんな人?文景の治と称された皇帝の政治手腕とは? 甘寧と呂蒙と凌統 超短気の甘寧、凌統・呂蒙との珍エピソード 于吉(うきつ)とはどんな人?最古のメンタリスト UkiTsu!小覇王・孫策の生命を奪った仙人 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース10記事【2/29〜3/6】 黄月英 三国時代の黄夫人(黄月英)とは、実際にいた人? 【徹底分析】キングダムを書いた原泰久はココが凄い!原先生の意外な側面10連発 関羽と趙雲を捨てて荊州に逃げる劉備 【三国志平話】ひどい!劉備が恩人の趙雲を裏切って逃走 はじめての三国志 「はじめての三国志」のロゴが完成しました

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集
“邪馬台国"

“三国志人物事典"

PAGE TOP