法正特集
官渡の戦い




はじめての三国志

menu

はじめての変

盤古はやっぱり中国最古の神だった?「天円地方」説【HMR】

魏 星座大好きな幼少期の管輅




盤古

 

三皇五帝よりも前の時代、天地開闢(てんちかいびゃく)、

すなわち天地創造を起こしたとされる神、盤古(ばんこ)

 

現代では、その存在は三皇五帝の神話の成立後、

後漢以降の時代に新たに神話として確立したと

考えるのが定説になっています。

 

しかし、我々HMRは独自に調査を進め、

盤古の天地開闢神話と、古代中国における宇宙観には

はっきりと親和性があるという事実を見出しました。

 

やはり、盤古は中国最古の神であった!?

今回はこの謎に迫ってみたいと思います。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:『史記』のはじまりは三皇本紀?五帝本紀?

関連記事:盤古(ばんこ)とはどんな神様?最古の神のはずなのに新しい中国神話の創世神

 

 

古代人が想像した宇宙の構造……宇宙観ってなに?

古代人の宇宙観

 

科学技術が発達するよりもはるか以前の時代から、

人々は自分たちが住んでいるこの世界、

ひいては宇宙全体がどのような構造をしているのか、

それを想像し続けてきました。

 

古代インドには、

宇宙は天と空気と大地の三層で構成され、

それぞれの層がさらに3つの層からなるという

全9層の宇宙観がありました。

 

古代インドの宇宙観

 

とぐろを巻くコブラの上に巨大な亀が乗り、

更にその上にいる象が大地を支えている

というイメージ絵を見たことのある人も多いでしょう、

 

古代バビロニアには

大地の端を巨大な山脈が囲っており、

その上をドーム状の天が覆っているという

まるで宇宙全体がひとつの巨大な建造物であるような

宇宙観が存在していました。

 

古代バビロニアの宇宙観

 

私達が学校で学ぶ古代の宇宙観としては

古代ギリシアの数学・天文学者であったプトレマイオスが

体系的に確立した、地球を中心とした宇宙観

「天動説」が馴染み深いですね。

 

地球平面協会

 

地球は球形であると考えるのが当たり前のように

思われるかもしれませんが、現代においても

地球は球形ではなく平面状の構造であると信じる人もおり、

カリフォルニア州に本部を置く「地球平面協会」が

今でも活動を続けています。

 

 

漢の時代、中国には3つの宇宙観が存在した!?

 

古代中国には「天円地方」という宇宙観が存在しました。

「天円地方」に関する記述は、前漢の武帝の時代に編纂された思想書、

『淮南子(えなんじ)』に見ることができますが、その考え方自体は

紀元前5000年から3000年頃には存在していたとされます。

 

「天円地方」とは、

四角い大地の上に、円盤状の天が存在しているという宇宙観です。

なぜ、四角い大地の上に円状の天があるのかというと、

星々が北極星を中心に円を描くように動くことから、

円形をした天が回転していると考えられたためです。

 

世界遺産にも登録された北京市にある史跡「天壇」(てんだん)は

1420年に明の永楽帝が祭祀を行う場として建立した建造物ですが、

天円地方をモチーフとした円形の構造を特徴としています。

 

 

ちなみに、この「天円地方」の宇宙観は日本にももたらされており、

その痕跡は「前方後円墳」と呼ばれる古墳の形状に見ることができます。

(鍵穴のような形をした古墳の四角い前部分が「天円地方」における

地を意味し、後部の円形部分が「天」を意味しています)

 

漢の時代になると、この「天円地方」の考え方から派生した

3つの新たな宇宙観が成立しています。

 

  • 蓋天説(がいてんせつ)

 

「蓋天説」は「天円地方」の考え方を最も直接的に受け継ぐ

宇宙観で、円形の大地の上空に円形の天が存在するというものです。

 

「蓋天説」では、太陽は天の端にあって、天が回転すると

ともに移動しており、その光が届く範囲が昼、その範囲を出た

場所が夜になると考えられました。

 

  • 渾天説(こんてんせつ)

 

「蓋天説」では、天体の動きに説明がつかないことが多く、

これを修正する形で、より実測される天文の動き即した

宇宙観として成立したのが「渾天説」です。

 

渾天説に関する、最も重要とされる文献は、

かの後漢時代の天才科学者こと張衡(ちょうこう)が記した書物にあります。

 

その記述によれば、天は卵の殻のように地を覆うように存在し

地はさながら卵黄のようにその天の中心に位置しています。

地の水平線の下(天の半分下)には水が満ちており、

天そのものは地上から見て天頂(真上)から北に36度傾いた

軸を中心に回転しています。

 

この宇宙観は、張衡が天文観測のために発明した

「渾天儀(こんてんぎ)」(西洋の天球儀とほぼ同様のもの)

に基づいて考えられており、

水平線や赤道、子午線という概念が導入されています。

古代ギリシアの「天動説」に近い宇宙観と言えるでしょう、

 

  • 宣夜説(せんやせつ)

 

三国時代の後、東晋時代の人である虞喜(ぐき)が、

歳差(さいさ)と呼ばれる現象を発見します。

 

歳差とは、自転している回転体の軸が円を描くように振れる

現象を指すことばで、「みそすり運動」などとも呼ばれます。

 

歳差現象を渾天説に当てはめるなら、

天の回転軸は円を描いて振れねばならず、結果として

天が一体のものとして規則性のある運動をするのはおかしいと

結論づけたのかもそれません。

 

その虞喜が提唱した宇宙観が「宣夜説」です。

 

「宣夜説」では、宇宙を「蓋天説」や「渾天説」のような

明確な形態を持ったものではなく、ただ永遠に広がる

虚空であるとしています。

 

地上から見た夜空の漆黒も、海の色が見方によって変わるのと

同じく宇宙本来の色ではなく、星々も天に張り付いてその回転に

合わせて動くのではなく、それぞれ勝手に虚空に浮かんでいて

独自の運動をしているものとされました。

 

宇宙を無限に続く空間と捉える「宣夜説」は

ある意味で現代科学における宇宙論と親しいとも言えますが

結局多くの人に支持されることなく、衰退してしまいます。

 

古代中国・超科学の世界に挑戦する HMR

HMR  

 

「天然地方」こそが、盤古の天地開闢神話が最初にあった証拠!?

盤古の天地開闢神話

 

漢から東晋の時代にかけて。

さまざまな宇宙観が考案されましたが、

文化的に最も大きな影響を持っていたのは

最も古くから存在した「天然地方」であると言えるでしょう。

 

それは明代に建設された「天壇」が

「天然地方」の思想に基づいていることからも伺えます。

 

そして、この「天然地方」の宇宙観に

皆さんは既視感を感じないでしょうか?

 

そうです!!

あの盤古による「天地開闢神話」です。

 

はじめ、この世界の天地はピタリと合わさっていたものを

その間に生まれた盤古が18000年の歳月をかけて成長、

ジリジリと天を地から切り離していき、ついに

完全にその二つを分離したという「天地開闢神話」。

 

天と地が分かたれ、その間に空間があるとする

「天然地方」の宇宙観は、まさに

盤古によって創造された宇宙そのものではないですか!!

 

この中国最古の宇宙観と、

盤古の神話との間に見られる親和性。

これが、盤古の存在が天地創造の神として最初に

語られた神話でなくて、一体何であるというのでしょうか!!

 

我々HMRは今後も盤古の神話の謎に、

鋭く切り込んでいく予定です。

 

「はじ三」トンデモライター・石川克世のぼやき

 

……まあ、むしろ「天円地方」説に基づいて、

周辺国から流入してきた神話・伝承をベースに

後付けで盤古の神話が創られた

 

そう考える方が、自然なんですけどね(自爆

 

しかし、まだまだ「盤古」の神話には

謎が多く残されているのも事実です。

あらたな情報がすべてを覆す可能性だって……。

 

ともあれ、次回にご期待ください。」

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:2300年前の古代中国に動物園が存在した?キングダムに登場するランカイのモデルも?

関連記事:竜にも階級があった!?某国民的・神龍が登場する漫画は中国史に忠実だった!

 

【赤兎馬はカバだった説に迫る】
赤兎馬はカバ

 




石川克世

石川克世

投稿者の記事一覧

三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、
兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。

好きな歴史人物:

曹操孟徳
織田信長

何か一言:

温故知新。
過去を知ることは、個人や国家の別なく、
現在を知り、そして未来を知ることであると思います。

関連記事

  1. 秦国の六虎将軍・李信の妻となるのは誰かを大胆予想!羌瘣?それとも…
  2. 三国志好きでも楽しめる新撰組マンガ3選!「燃えよ剣」「北走新選組…
  3. 三国志大学を目指す曹操 ええっ?曹操は歴史の先生として宮廷で採用されていた!?
  4. 曹丕 集まれ曹操の25人の息子たち・その1
  5. 関帝廟 関羽 横浜関帝廟のご利益のでる参拝の仕方とは?パワースポットにも最適?…
  6. 周瑜 周郎 三国時代の音楽ってどんな感じだったの?
  7. 陳寿(晋) 史書から見る曹操の評価がベタ褒めすぎてやばいってホント?
  8. 陸遜の部下の兵士 【シミルボン】三国志の裏側:使い捨てられる兵士はどこからやってき…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 船冒険する諸葛直 船
  2. 後宮にいる美女の階級事情
  3. はじめての三国志 画像準備中
  4. 馬謖の陣形に笑う張コウ
  5. はじめての三国志 画像準備中
  6. 曹操を逃す関羽
  7. 卑弥呼
  8. 陸遜

おすすめ記事

  1. 126話:孔明第二次北伐の開始、陳倉攻略戦 曹休
  2. 魏王朝から禅譲後に晋の領内で進撃の○○が出現した!? 兀突骨
  3. 新事実!?邪馬台国は魏とお金を使って貿易していた?(HMR) 邪馬台国と魏の兵士
  4. 98話:曹操、張魯を降すべく漢中に進軍する 張魯
  5. 【これだけ読めば大体わかる】山崎賢人主演!キングダム実写化の内容を大胆予想!
  6. 祝融と孟獲三国志最強仲良し夫婦の面白エピソードとは 孟獲

三國志雑学

  1. 愛馬に乗り敵を粉砕する張遼
  2. 華雄(かゆう)
  3. 甘寧に殺されかける料理人
  4. 義理の親子の契りを結ぶ曹豹と呂布
“はじめての三国志150万PV" “はじめての三国志Youtubeチャンネル" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 病気になった兵士
  2. 宦官
  3. 徳川家康
  4. 嬴政(始皇帝)
  5. 三国夢幻演義バナー 龍の少年

おすすめ記事

茶を飲む張角(太平道) 三国志の時代のお茶は、全然人気が無かったってホント? 呂布に殺害される丁原(ていげん) 呂布は最初から裏切り者だったわけじゃない!きっかけは? 許靖(きょせい)とはどんな人?天才軍師・法正が認めた蜀の名士 張遼 カカロットーーーー! 100話:奮戦する張遼、孫権を二度も追い詰める キングダム54巻amazon キングダム601話ネタバレ予想「龐煖は完全ポンコツ化?それとも」 東京五輪でテロ対策をしている警察や警察犬 いだてん 鎌倉時代の警察の役割を果たした「守護」を分かりやすく解説 華陀と麻沸散 三国志時代の医療はどうなっていたの?華佗以外にも治療を行っていた! 岳飛(南宋の軍人) 宋とはどんな国?簡単にざっくりと歴史を解説するよ!

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集
“水滸伝"

“三国志人物事典"

PAGE TOP