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備えるということ
曹真が備えていたのはそれだけではありません。この後に張コウが馬謖を打ち破り、三郡は魏によって再び奪取されます。ここから曹真は再び諸葛亮の北伐を予見。次の北伐ルートを予見して、防衛強化をしたことで次の冬の第二次北伐を見事に防ぐことができました。正に完勝と言って良いでしょう……王双がやられてしまいましたが。
伝での違い
此処までの記述でも分かるように、正史三国志というのは伝によって分かれています。このため伝によっては話が食い違うこともあり、有名な赤壁の戦いでも実際に伝をまとめていくと何が何だか良く分からなくなっていくこともしばしば。
しかし実際にその配置を確かめてみたり、時代背景を照らし合わせてみると面白い発見ができることも多く、それが何よりも楽しいのです。新しい発見や考察もできるので、街亭の戦いだけでなく色んな場面を振り返ってみて下さいね。
余談
最後にちょっと予断を。清朝の道光年間、陝西省西安の郊外で、曹真の業績を称えた石碑が発掘されました。一部しか内容が残ってはいませんが、曹真が諸葛亮を撃退したことの記録とされる、歴史的価値が高いものです。
ただし一部が三国志演義の諸葛亮を愛する地元民に削られるなど、三国志演義の人気の高さも伺える面白いものともなっています「大將軍曹眞殘碑」は京都大学人文科学研究所画像データより見ることができますので、良ければ曹真の活躍の記録を見てみて下さいね。
外部リンク:大將軍曹眞殘碑(京都大学人文科学研究所画像データ)
三国志ライター センのひとりごと
今回は街亭の戦いの戦いについて、曹真伝、諸葛亮伝の二つから追っていきました。この一つの戦いについていくつもの伝を見なければ分からないというのは、正史の面倒なところでもあり、面白いところでもあります。
筆者の一押し武将ということもあり、やや曹真に偏った味方になったてしまった節はありますが、ぜひ皆さんも「この戦いはどうだったのか」を、正史を照らし合わせて考えて見て下さい。きっと楽しい考察ができると思いますよ。
参考文献:蜀書諸葛亮伝 魏書曹真伝
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