正史三国志の見どころ?裴松之先生の注釈が面白い!


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正史三国志の見どころ?(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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時代背景

後漢書(書類)

 

ここで少し裴松之の注が付けられた時代を振り返ってみましょう。裴松之が作成した注を提出したのは429年、そして432年には後漢書がまとめられています。後漢書はその名前通り後漢時代をまとめた歴史書ですが、この二つの時代はほぼ同時期、同時代に一方がまとめられ、一方は注がつけられました。そしてこれは、決して偶然ではありません。

 

斉王になる司馬攸

 

三国時代は(しん)の時代によって終焉を迎えますが、その晋の終焉の後、国は戦乱につぐ戦乱で荒れ果てていました。そしてそこに匈奴(きょうど
)
を始めとして羌族らなどモンゴル、チベット、トルコ系の五胡と呼ばれる民族が勢力を伸ばしてきたのです。この民族それぞれが覇を競うようになっていった時代を、五胡十六国時代(ごこじゅうろっこくじだい
)
と言います。

 

歴史と人々の思い

呉南蛮異民族をボコボコにする潘濬(はんしゅん)

 

この五胡十六国時代にかなり三国時代以前の資料が失われたようです。そのためか、大量の資料、文献を集めた裴松之も注の中で「資料が無くなっているからほんとかどうかは分からない」というような言い方をしているところがあります。

 

西遊記巻物 書物_書類

 

そう思うと、後漢書(ごかんじょ
)
やこの裴松之の注は、残っている文献を必死に集めて作られたものなのかもしれませんね。歴史というのは先人が記録に残していなければどんどん失われていってしまうものです。それを残そうとした人々が、そしてそのために尽力した人々がいた、そう考えると三国志の注もまた、味わい深いものですね。

 

ここ面白ポイント!

三国志演義_書類

 

最期に裴松之の注について、振り返って筆者の思う所を。正史三国志というのは歴史書であり、基本的に史実がまとめられているものです。つまり歴史を振り返る、その時代に何があったか知る、もしくは調べるために見るものだと思います。

 

三国志を楽しく語るライターセン様

 

そういった「史実を知りたい」場合に、真偽不明、本当にあったかどうか分からない、そもそも一個人の主観を書かれていても「見づらいわ!」となりませんか?

 

不思議なことに裴松之の注には、そういったマイナス面が薄く感じるのです。それはやっぱり裴松之、裴松之先生の三国志、歴史への愛が伝わってくるからかな、なんて、裴松之の注を見るたびに思うのでした。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

今回は裴松之の注について、色々なことを述べさせて頂きました。振り返ればこの注が生まれた時代こそ、三国志というものが最も愛された時代なのかもしれません。今、この現代で見ても面白い英雄たちの記録。それはこの時代の人々から見ても面白く、魅力的だったんだなぁと思うと、何だかとても心が温かくなりますね。

 

参考文献:正史三国志(主に注) 後漢書

 

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民間伝承の三国志

 

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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