三国志演義の主人公劉備は、人徳以外は武力も知力も中途半端な人として描かれます。それは話の流れ上、当然で、劉備がスーパーマンなら天才軍師の諸葛孔明も関羽も張飛も必要なくなってしまいますからね。
では、三国志演義ではなく史実の劉備はどうなのか?というとこちらも無能ではありませんが、宿敵である曹操に、一度しか勝った事がない人物でした。
何度も負けるのに人が離れない理由
何度も敗北を経験した劉備ですが、不思議と彼の周囲からは人が離れません。これがいわゆる人徳ですが、劉備の人徳の正体はとにかくマメな人である事だったようです。劉備のどこがマメなのか?
それは劉備が大敗した後、逃げるだけではなく、きちんと一定の場所に留まり部下の兵士が集まるのを待っている点です。
また、劉備が呂布に敗れて曹操に頼った時には、残っていた兵糧を放出して餓えている兵士に与え体重を増やしてから再び呂布と戦っています。
兵士へのマメさが劉備の人徳
劉備はピンチになると妻子は平気で捨てる人ですが、商売道具である兵士には優しくいつも気にかけていたので、兵士の方も劉備を見捨てずについてきました。この兵士に対するマメさが、劉備の人徳として伝わり、後々に三国志演義の主人公になるのです。