プラモデル形式で仏像の大量生産を可能にしたエコ仏師 定朝

2022年12月7日


 

鶴岡八幡宮 建物 モブ

 

無宗教の人が多い日本ですが神社と寺を合計すると、全国に150000軒以上ありこれは、コンビニエンスストアの55000軒の3倍以上です。しかし、これだけ大量の寺があると、そこに納める仏像の数だけでも大変です。日本が森林に恵まれた土地であるとはいえ、大量の仏像を造る為に木材を斬り倒していたら、日本中禿山になってしまいそうですよね?

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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日本の森林を守ったエコ仏師定朝

登譽上人

 

 

実は、この悩ましい状態を解消した天才が平安時代にいました。名前を定朝(じょうちょう)と言い、藤原頼通が建立した平等院鳳凰堂の本尊、阿弥陀如来を造った人です。

 

 

小さな木材から仏像を造る寄木造りを開発

水月観音像(仏像)

 

 

定朝の時代まで、仏像は基本、一本の木から彫り出していましたが、これでは大仏を造る際には大木を倒さねばならず、また木材に無駄が生じます。そこで定朝が考えたのが寄木造りです。寄木造りとは、仏像を最初から複数のパーツに分けて、墨でそれぞれの形を記してから作成し、後からプラモデルのように組み立てる方法でした。

 

 

寄木造りがお寺大国日本を支えた

鎌倉仏像(仏教)

 

 

これなら、大仏を造る時でも大木を倒す必要はなく、また一本の木を漏れなく使う事が出来てエコにもなります。さらに大勢の仏師でチームを作り流れ作業にする事で、大量の仏像を短期間で仕上げる事が可能になりました。

 

麒麟を求める農民たち

 

 

定朝の寄木造りは、便利で資源の無駄遣いを抑え、かつ短期間で大量の仏像を彫れるとして、瞬く間に日本中に広まり、一般的な仏像製作法になります。もし、定朝の寄木造りがなければ日本だけで150000軒という神社とお寺は維持できなかったでしょうね。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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