古代吉備王国のロマン燃える!造山古墳から石室発見の可能性濃厚

2023年1月15日


 

前方後円墳(古墳)

 

造山古墳は国内4位の大きさを誇り、天皇陵ではないため発掘や立ち入り調査ができる岡山県北区の前方後円墳です。5世紀頃の築造とみられている造山古墳で、今回初めて後円部賁頂の発掘調査が行われ、中心部の地表から80センチの深さで古墳時代の石室の石材とみられる香川県産安山岩の板石5枚がほぼ一列に並んだ形で発見されました。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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来年以降、石室発見の期待も

曹操のお墓(曹操高陵)

 

石材は約40センチ四方で厚みは約10センチ、石室が存在する可能性が明らかになり、大和や出雲、筑紫とともに有力な古代王権とされる吉備国の謎解明に来年度以降の調査の期待が高まっています。今回の調査では、それ以外にも北東側の賁丘斜面部からは古墳を覆う石である葺石を初めて検出、30センチ前後の花崗岩や流紋岩が使われていましたが、葺石の上部は残ってなく賁頂本来の高さは確認できませんでした。

 

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石室があると何がスゴイ?

 

石室とは石棺を覆う外壁の役割をしています。そのため石室の存在は、そこに古代の有力者の遺骨が納められた石棺の存在がある事を示しているのです。仮に石棺が盗掘にあって破損していたとしても、石室内に副葬品の一部や壁画のような古墳時代の文物が残っている可能性もあります。それらを解析する事で謎に包まれた古墳時代の日本の状況が浮かび上がるかも知れません。

 

戦国時代の備中高松城攻めに関係

中国大返し(豊臣秀吉)

 

造山古墳は戦国時代に羽柴秀吉が水攻めにした備中高松城から3キロほどしか離れてなく、毛利側が古墳を崩して陣地を築いたと考えられていて、その古墳改変の具合も調査されましたが、そこまで大幅な改変はなされていないようです。来年以降の発掘調査で石室が発掘されれば、これまで伝説だった古代吉備王国の存在が考古学的に裏付けられた事になり出土物によっては、ヤマト王権と吉備王権の繋がりが新しくわかるかも知れませんね。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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