軍師官兵衛等、大河ドラマのタイトルになるほど、軍師という存在は戦国時代に欠かせなくなっています。しかし、そもそもどうして軍師が必要なのか?皆さんはご存知でしょうか?
初期の軍師は占い師
戦国時代の初期には、軍師ではなく軍配者と呼ばれる職業がありました。この軍配者の仕事は、出陣の日取りや砦を築く方角の吉凶占い、あるいは沢山あった合戦のジンクスを取り去り無効化する呪いを執り行う事でした。
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戦国大名が大きくなると軍師が登場
軍配者は、戦国後期に入ると役割が大きく変化します。それまでの占いや縁起を担ぐ儀式の指南から、補給路の確保や、兵力の動員、合戦における人員の配置など、より具体的に合戦にかかわるようになるのです。
その大きな原因は、合戦の大規模化でした。戦国初期の合戦は、精々数百から数千の兵力の激突で規模も小さく、戦いも数日で終わっていたので補給も軍の配置も簡単でよく、それよりも小数の兵力の士気を高める縁起担ぎが重要でした。しかし、戦国も後期になると双方から万単位の兵力が動員され、戦いも数ヶ月、あるいは越年する事もありました。
合戦の大規模化が軍師を生み出す。
兵力が大きくなると、もはや縁起担ぎのジンクスや占いなどあまり効果がありません。それより、大軍を維持するための補給路確保や迅速で停滞がない行軍、効率的な軍団の配置のような、より軍師っぽい仕事が重要になり合戦に特化した軍師に近い存在が登場してきたのです。
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