皆さんはハンバーガーショップに行き、ハンバーガーを注文した時、「ごいっしょにポテトはいかがですか?」と聴かれた事はありますか?筆者はありません。最近はハンバーガーを単品で頼むお客は稀で、大体のセットメニューにポテトが含まれているので、言わなくなったとも考えられますが、この「ごいっしょにポテトはいかがですか?」のフレーズはセールス的にも最強の名フレーズなのです。
クロスセルというマーケティング手法
「ごいっしょにポテトはいかがですか?」のフレーズはマーケティングの世界ではクロスセルと呼ばれる手法です。クロスセルとは、顧客が購入している商品と別の商品を提案して購入を検討してもらうテクニックの事です。
一般にマーケティングでは新規顧客の獲得には多大な費用と労力がかかりますが、クロスセルのテクニックが成功すれば、すでに顧客になった人に、さらに商品を売り込む事が出来るので売上アップに欠かせない手法なのです。特にネットの世界では、一つ商品を買うと、こんな商品も売れていますと提案される事がありますよね?あれが典型的なクロスセルです。
ごいっしょにポテトが最強の理由
では、ごいっしょにポテトが、どうしてクロスセルとしては最強なのでしょうか?それはハンバーガーショップに行く人が確実に空腹であり、単品のハンバーガー以外に、もう一品何かを注文する可能性が高いからです。
ハンバーガーショップに行って「ハンバーガーはいいから飲み物くれ」という人は、まずいません。飲み物だけなら自販機で買う方が安いからです。ただし、空腹のお客がハンバーガー以外に何を食べるかは聴いてみないと分かりません。しかし、そこで「ほかにご注文はありますか?」と毎回聞かれるのは面倒です。何故ならハンバーガーショップに行くお客は、ハンバーガー以外に明確に何を食べようと決意して来店はしないからです。
ほとんどは「ハンバーガー一個は物足りないな、もう一つなにかないかな」くらいですから、お客にそれを決めてもらおうとするとストレスになります。そこで「ごいっしょにポテトはいかがですか?」の出番になるのです。ポテトが嫌いな人というのはあまりいません。ドイツやアイルランド、イギリスでは主食になるくらいポピュラーなので「ごいっしょにポテトはいかがですか?」は、ちょうどよい選択肢として機能するのです。
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ごいっしょにポテトの奥深さ
こうしてみると、何気ない「ごいっしょにポテト」が、とても洗練されたセールストークである事が分かります。これだけ人を不快にさせないセールストークは、そう多くはないのではないでしょうか?
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