河野太郎大臣が美味しそうにパクパク食べていたコオロギ食、そんなに美味しいなら飽きるまで何年でも食べてもらい、いっそコオロギ太郎に改名して欲しいですが、大臣にはお気の毒ながらコオロギ食はビジネスとしてはオワコンだってご存知ですか?
コストがかかるコオロギはタンパク質危機を救えない
コオロギは1匹あたりのたんぱく質が多く環境に負荷をかけないからSDGEsに合致している。環境への負荷が大きい牛や豚、鶏よりもコオロギを食べよう。これが昆虫食を推進する日本政府の大義名分ですが、そもそも昆虫の飼育は素人が思っているほど簡単ではありません。
コオロギの飼育にはスペースとエネルギーがかかる
例えばコオロギは、本来温暖な気候で繁殖するので養殖するには空調・換気による四季を問わない温度・湿度の一定管理が必須で、飼育には膨大な化石燃料が必要です。またコオロギの生育不良や共食いを避けるためにケージ毎の過密飼育にも制限がかかり、詰め込んで大量に飼育する事には向きません。こうして考えると、たんぱく質の優等生である鶏のブロイラーに比較して、コオロギの優位性はなくなってしまうのです。
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恐るべきコオロギの共食い
また、コオロギを飼育するのにはたんぱく質の餌が必要です。人間がたんぱく質を得る為にコオロギを飼育するわけですが、コオロギの飼育にもたんぱく質が必要なのです。なんか「は?」と思いませんか?また、コオロギは昆虫の中でもタンパク質欲が凄まじく、例えば道を横断しているコオロギの集団は、途中で仲間が車に轢かれるとその死骸を大勢で食べ始めます。そこに別の車が来て、またコオロギが轢かれるとまた後続のコオロギが死骸を食べて立ち止まり、車に轢かれるという集団自殺を繰り返すのです。
このため、コオロギの飼育にはたんぱく質の餌が欠かせないのですが、大豆やトウモロコシのような穀物は天候により出来が左右され価格が安定しません。需要と供給が安定しない植物性のたんぱく質を使ってコオロギを飼育するくらいなら、普通に大豆やトウモロコシを食べるほうがいいような気がしません?
お金の臭いしかしないコオロギ食
そもそもビジネスとしての需要も怪しいコオロギビジネスが増えている背景には、昨今のSDGsブームに伴う一部世論の後押しと農林水産省がコオロギ養殖を認定農業者制度の対象として補助金ビジネスに含めている背景があります。事業者としてはコオロギビジネスを開始すれば農水省から補助金がでるわけで需要も国際競争力も考えずに事業を展開し、少し前の太陽光発電詐欺のようなヤクザ企業が林立して、税金がドブに捨てられる光景が繰り返されるでしょう。
コオロギ食う前に出来る事をせよ
世界には昆虫を食べる地域がありますが、それらは好き好んでそうしているのではなく、栄養不足を補う名目から生まれた食習慣である事がほとんどです。一方で日本では昆虫は沢山いるのに、食べているのはイナゴの佃煮程度しかありません。これは日本が瑞穂の国と呼ばれ、作物が豊富に獲れる土地だったからです。日本人は穀物を食べて栄養素をまかなえたから昆虫を食べるような事はありませんでした。しかし、現在日本は食糧のほとんどを輸入に頼り、その輸送に膨大な化石燃料を使用しながら、輸入した多くの食糧を食べずに捨て、そのくせ食料自給率は30%台しかありません。一方で農業には有効な対策が出されず、農家は高齢化が進み、耕作地は放棄されています。
これらの事実から目を背け、やれSDGsだ!地球環境保全だ、昆虫食だと騒いでいる人を見ると、一体何を考えているのか?と首が180度回りそうです。コオロギ食う前に日本の農業を再生して食料自給率を100%にしましょう。それ以前に昆虫食だと騒いでもただの欺瞞ですよ。
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