組織は人間によって運営されているので、当然のように部署ごとの対立が起きます。この対立を回避する方法として、妥協や譲歩が取り入れられていますが妥協や譲歩はその場しのぎでしかなく、また別の問題で新たな対立を引き起こす事がほとんどです。実は対立を回避するベストな方法は、全く別のアプローチでした。
共通の利害を探り当てるのが真の解決
対立を乗り越えるために本当に必要な要素は共通の利害を探り当てる事です。対立を起こしていると、どうしても相手との違いに目が向きがちですが、一方では共通する利害も必ず存在するのです。共通する利害を見つけて対立を共感に変えるのが対立を乗り越える上で重要なカギになります。
共通の利害で憎悪を乗り越えた薩長
共通の利害で対立を乗り越えた典型例は幕末の薩長同盟でしょう。長州藩は七卿落ち以降、会津や桑名藩と手を組んだ薩摩藩に煮え湯を飲まされ続け、激しく薩摩を憎んでいました。この対立はどうやっても解消できないように見えましたが、坂本龍馬や中岡慎太郎が交渉して、決して手を握るとは考えられなかった両藩に手を組ませます。2人の交渉人は犬猿の仲の薩摩と長州をどうやって纏めたのでしょうか?
共通の敵である幕府を倒す事で合意
幕府は長州藩を追い落とすために薩摩藩と手を組んでいましたが、長州が長州征伐で弱体化すると薩摩に対しても高圧的な態度を取り始めます。薩摩藩は長州を滅ぼすと幕府の矛先が薩摩に向かう事を悟り、長州と手を組んで幕府を倒す事が薩摩が生き延びる唯一の道だと気づいたのです。こうして薩摩と長州は憎しみを越えて幕府を倒し生き残るために手を組む未来志向を選び、徳川幕府は倒れて明治維新が実現するのです。
妥協や譲歩ではなく共通の利害を見出そう
賢い人は小手先の妥協や譲歩ではなく共通の利害を見出し、全面的な協力関係を築く事が出来ます。方針が対立する相手と出会った時、違いではなく共通の利害がないか調べてみる事が重要でしょう。
▼こちらもどうぞ
日本の公衆トイレは世界一危険!世界標準からズレた日本の公衆トイレ