遠出して気が付くと財布がなくなっていて、一文無しになってしまった。これでは電車も使えないから家にも帰れない。近くに知り合いも友人もいない。そんな時には、あわてずに交番か警察署を探せば、家に帰る電車賃ぐらいは借りる事が出来るって知っていましたか?
50年以上前からある公衆接遇弁償費
全ての都道府県にあるわけではありませんが、警察署や交番、巡回中のパトカーには、財布を落としたり、身元不明者を保護したり、急病人を救助した人でお金を持っていない人に、少額の融資をする公衆接遇弁償費(こうしゅう・せつぐう・べんしょうひ)という制度が50年余り前から存在します。つまり、警察官個人の善意で貸してくれるのではなく、ちゃんとした制度として存在しているのです。
どんな場合に借りられる?
ただし、公衆接遇弁償費の財源は税金なのでどんな理由でも融資をしてくれるわけではありません。例えば財布を落としても、家族や知人に連絡を取ってお金を持ってきてもらえるようなら、そちらを優先して下さいと融資を断られるケースもあります。あくまでも、財布を紛失したり、身元不明者を保護したり、怪我している人を救助する等で、お金が必要なのに手元にお金がない場合にして下さい。
融資の上限は?
融資の上限は、家に帰る為の電車賃なので千円までが通常ですが、家までかなり遠く千円以上の電車賃が必要なら、事情を話せば千円以上貸してくれることもあります。また、公衆接遇弁償費が底をついている場合に、おまわりさんが個人的に財布からお金を貸してくれるケースがありますが、これも形式上、公衆接遇弁償費になるそうです。
返済しないと寸借詐欺になる
公衆接遇弁償費には利子がつく事はありませんが貸しているだけなので返済しないといけません。期限に定めはありませんが目安としては1カ月程度でお金を借りた交番や警察署で返済するのが原則です。もし、返済しないと寸借詐欺として逮捕される可能性もあるので注意しましょう。しかし、世の中、神経が図太い人も多くいるようで、公衆接遇弁償費の返済率は7割程度。返済されない事から制度を廃止しようとする動きもあるそうです。
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