世界中でノーマスクの人が当たり前に歩いているのに、いまだ大勢がマスクをしている日本。原因にはテレビで毎日のように「マスクはパンツ」と連呼していた医者や医療専門家の影響があります。専門家だからって信用できないというのが、コロナ騒動の教訓だとは思いますが、同じく知識人と呼ばれる人がロシアのウクライナ侵略を擁護し、アメリカがNATOを東方に拡大したからプーチンが怒ってウクライナに侵略したと言い出しています。これは本当なんでしょうか?それとも残念な知識人なのでしょうか?
NATOとは何か?
NATO(北大西洋条約機構)は北米2か国と欧州29か国の計31か国が加盟する政府間軍事同盟で、加盟31か国は第3国による攻撃から互いに防衛することに合意する集団安全保障システムです。NATOは第二次世界大戦後に、ソビエト連邦や東側諸国などが加盟するワルシャワ条約機構(1955年~1991年)に対する牽制の役割を果たしていました。加盟国で一番の軍事力を持つのはアメリカ合衆国です。
NATOの拡大がウクライナ戦争の原因?
NATOの軍事力はアメリカが加盟する事で守られています。その事から事実上の仮想的であるプーチン大統領は、NATO加盟国の増加と東方への拡大を懸念し苛立ちを募らせていました。そのため、プーチンを擁護する知識人は、ウクライナ戦争はアメリカがプーチンを追い詰めたから起きた!戦争の責任はアメリカにあると非難しています。これだけでも随分奇妙で、そんなにアメリカが憎いならアメリカと戦うべきで、なんでNATO加盟国でもないウクライナに攻め込むの?と思いますが、この話は原因と結果がサカサマの詐欺なのです。
ロシアへの恐怖がNATO加盟を増やした
そもそも、NATOは入りたいと思っても全ての加盟国が承諾した上で招待状を出さないと加盟できません。知識人は責めるならアメリカだけでなく、NATO加盟国すべてを責めないとフェアではないでしょう。
元々、東欧にはロシアの侵略に苦しんだ国が多くあります。2004年に加入したエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国は、1940年に独ソ不可侵条約の秘密協定でソ連に強制併合され、併合初年だけで処刑や国外追放が124000人以上。また大戦中には仲違いしたドイツとソビエトの抗争に巻き込まれ、今度はドイツに占領されています。
戦後は、再びソビエトに併合され成人人口の10%が国外追放、シベリア送りに処され、その代わりに他のソビエト地域から大量の人が移住させられ秘密警察による監視社会が半世紀も続きました。ようやく独立を果たしたバルト三国がNATO加盟を願ったのは、ソビエトの恐怖政治に二度と戻らないために絶対必要な事だったのです。
また、フィンランドはロシアと地理的に近く、第二次大戦でソビエトに敗れて領土を奪われた事もあったので、これまでロシアの機嫌を取り2014年のロシアのクリミア併合を目の前にしても、世論の58%がNATO加盟を支持しませんでしたが、ロシアがウクライナを侵略した途端、妥協に意味がない事に気づいて世論が一変し、急転直下でNATO加盟を決断しました。
プーチン擁護派は東欧や北欧の歴史を知らない
東欧や北欧の歴史は、17世紀にロシア帝国が建国された後はロシアに侵略されたり、押し返したりのくり返しですし、ソビエトが第二次世界大戦で戦勝国になり、その軍事力で強制併合された国は、ソビエトの秘密警察と監視、密告社会で激しい恐怖と苦痛を味わいました。それを知っていれば、小国が多い東欧と北欧諸国がNATO加盟を切望するのは当たり前なのです。おそらくプーチンを擁護する知識人は、そんな東欧の歴史を何も知らずに、中途半端な反米思想とフェイクニュースを鵜呑みにしているだけなのでしょう。
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