2020年の大河ドラマは『麒麟がくる』で、主人公は明智光秀です。
明智光秀ゆかりの地では大河ドラマの放送が決まると観光PRが既に始まっています。明智光秀のゆかりの地といえば、滋賀県大津市の坂本、京都府亀岡市や福知山市などが挙げられますが、今回は明智光秀が生まれたと伝えられている岐阜県ゆかりの地について取り上げます。
この記事の前半では、明智光秀のゆかりの地が岐阜県である根拠について紹介します。後半では、岐阜県のゆかりの地として瑞浪市を中心に紹介します。
明智光秀のゆかりの地が岐阜県である理由
明智光秀は1528年に美濃国に生まれました。光秀が生まれた当時、美濃国の大名は土岐氏で、美濃源氏の嫡流でした。土岐氏は建武の新政から200年にわたって美濃国の守護を務め、岐阜県には土岐市という地名が残っています。
一方で、光秀については美濃国の中で身分の低い牢人だったということで、織田信長に出会う前までの史料についてはほとんど残されていません。
岐阜県における光秀ゆかりの地は数箇所あると伝えられています。1箇所目は可児市です。明智長山城や明智荘など明智が頭につく地名があり、光秀の生まれた場所であるといわれています。
2箇所目は恵那市です。恵那市には光秀の母の墓や産湯の井戸などがあり、地元はPRしています。
瑞浪市における明智光秀ゆかりの地とは?
ここでは3箇所目の瑞浪市における明智光秀ゆかりの地となっている観光名所を取り上げます。瑞浪市は大河ドラマ『麒麟がくる』の放送が決まると、光秀ゆかりの地を観光名所としてPRしています。
1つめの観光名所は一日市場八幡神社です。一日市場館は土岐氏の居館だったといわれ、城と思われる遺構や鎌倉時代のものと思われる陶磁器などが発掘されています。この場所はかつて高野と呼ばれていたらしく、源氏土岐一族の発祥の地として伝えられ、明智光秀の銅像があります。
2つめは鶴ヶ城跡です。土岐一族が城主だったと伝えられる中世に築城された山城です。土岐氏・斉藤氏を経て、織田信長が美濃国の大名になると、小里城とともに信濃国の武田信玄軍の最前線基地となりました。現在、城はなく遺構の一部が残されているだけです。
3つめは土岐氏一族の墓について取り上げます。土岐頼貞と土岐頼兼の墓について紹介します。土岐頼貞は足利尊氏に従って数多くの武功を挙げました。土岐頼貞は室町幕府において初代美濃国の守護大名となりました。土岐頼兼は土岐頼貞の十男で、後醍醐天皇が鎌倉幕府を倒そうとした正中の変で戦死しました。土岐氏のこれらの2つの墓については瑞浪市指定の文化財となっています。
戦国時代ライターオフィス樋口の独り言
今回は岐阜県における明智光秀ゆかりの地を紹介しました。
明智光秀といえば、滋賀県大津市で比叡山延暦寺の門前町である坂本や京都府亀岡市や福知山市が有名です。明智光秀は美濃国の生まれであるといわれていますが、岐阜県のゆかりの地については今後注目されるでしょう。
岐阜県のゆかりの地があまり注目されなかった要因として、美濃国で土岐氏や斎藤道三の家臣だった頃については記録が残されておらず、分からないことが多いことが挙げられます。2020年の『大河ドラマ』で、生まれてから織田信長の家臣になるまでの明智光秀についてどのように取り上げられるのか楽しみにしています。
今回紹介した岐阜県における明智光秀ゆかりの地は恵那市・土岐氏・可児市で、岐阜県の東部にあります。大河ドラマの放送が始まると、明智光秀ゆかりの地が観光名所となり、混雑する可能性があります。明智光秀と岐阜県に興味のある読者の皆さんには放送前か後に観光名所に行ったほうがよいのかもしれません。
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