日本の警察官の装備している武器といえば拳銃です。これは日本では銃の発砲事件が少なく、小火器で充分とする判断から取られた措置です。しかし、復帰前、米軍統治下にあった琉球警察では許可が出れば自動小銃を装備する事がありました。
普段は警棒しか持たない琉球警察
琉球警察は1952年にそれまでの沖縄民警察部を引き継いで発足しました。琉球警察は通常は銃を携帯せず、警棒だけを持ってパトロールをしていましたが、決して火器の使用を禁止されたわけではありませんでした。
日本本土の3倍の犯罪発生率に備える
どうして、通常は拳銃も持たない琉球警察で自動小銃が許可されたのか?大きな理由は、当時の沖縄の治安の悪さでした。1970年の統計では、人口10万人当たりの凶悪犯罪発生率は、42.41と東京都の14.03の3倍もあり昭和を通じ高止まり傾向でした。そのため、自動小銃の使用許可は、1946年7月には認められ、携帯目的は米軍関係者の沖縄住民への殺人などの犯罪抑止策でした。米兵が当たり前に拳銃を持っているので、対抗措置として自動小銃の使用を許可せざるを得なかったのです。
復帰後自動小銃は廃止される
1972年5月15日、沖縄は日本に復帰。琉球警察は沖縄県警察へ組織改編し自動小銃の携帯も廃止され、本土と同様に拳銃を携帯するようになったのです。
▼こちらもどうぞ