キングダムに登場する将軍たちの中で、異色を放っているのが山界の王といわれる楊端和です。絶世の美貌を保ち、武力も超一流で、あのホウケンを前にして単騎で突入しそうになったほどでもあります。そんな楊端和はどのような性格なのか推測していきましょう。
間違いなく男勝りな楊端和
山界の王として君臨する楊端和ですが、そもそも山界とはどのような場所なのか、当時の史実上からみていきましょう。秦の西方や北方には山々に囲まれて月氏や羌族が支配していました。中国史においてもたびたび異民族として、モンゴル地方の遊牧民族やベトナムなど東南アジアの勢力と交戦を繰り返しています。
楊端和の勢力は山の民として、平地と区別されており、平原が広がる匈奴や湿地帯の南蛮勢力とは異なり、自然の要塞ともいえる険しい山々に囲まれています。山の民は史実同様に複数の部族から成り立ち、その頂点に立つのが楊端和となります。
キングダム上ではヨウタンワの配下に鳥牙族、メラ族、フィゴ族などがあり、それぞれが特徴的な能力を発揮しています。これらの配下はそれぞれの族長の指揮のもと、ヨウタンワが全体を統括していることになります。
それぞれの部族には精強な部隊があり、平地の秦や魏、趙といった軍隊を蹂躙するほど強力な戦闘能力を持っています。しかし、楊端和は彼らを凌ぐ戦闘力を持っており、武力で山の民の王になっているので、まずは男勝りの性格が挙げられます。
実は繊細な一面もある楊端和
楊端和は部族の屈強な男たちを力ずくで屈服させていることから、男勝りで暴力的な一面を持っているといえます。しかし、信や政の間に入り、優しい言葉をかけ、壁と一緒に戦う鄴編では兵糧を失うという大失態を演じた壁を一切責めず、その内心を思いやったあたりは心優しい繊細な一面を垣間見せています。
女性らしいといえばそうでしょうが、部下はほぼ男ばかり。その中で一人の女性が頂点に立てているのは武力に秀でているだけではなく、この相手の立場になって気遣う繊細な一面が魅力的に映るのでしょう。
とにかく仲間思いな楊端和
楊端和は政と最初の同盟を結んだ王都奪回編で、わずか数千人ながら咸陽へと進軍します。ここでは多くの配下を失うことになりますが、そのたびに激を飛ばし、自らも先頭に立って剣をふるいました。わずかな勝ち目しかないながらも、政のために死力を振り絞るヨウタンワは一度仲間と決めたらとことん付き合う性格といえるでしょう。
楊端和ワは以降の戦いでも山の民が戦死した屍を見る目つきは悼みと悲しみ、優しさ、そして静かな怒りが込められているように感じます。恐らくは家族同然の付き合いになるのでしょうが、仲間を見捨てず、一兵卒にまで目をかけることができる仲間思いの面を見せています。
特に趙との激突になった橑陽の戦いでは、李牧の腹心である舜水樹が戦死した山の民の遺体を馬で引きずり、槍で突き刺すなど死者を冒涜する行為に及んでいます。これに激高したヨウタンワは舜水樹に対し、「顔を覚えたぞ」と静かに言い放ちました。これは後の伏線にもなりそうで、史実でも趙を滅ぼすのに貢献したヨウタンワですから、恐らく舜水樹を斬るのは信や他の将軍たちではなく、ヨウタンワ自らが剣をふるうといえます。
また、この戦いではバジオウが死力を振り絞って楊端和を守り抜きますが、そのバジオウに無理をさせないように自らが前面に立って敵を蹴散らせているのも仲間思いの一面があり、そんなヨウタンワだからこそ、バジオウや他の山の民が懸命に守ろうとしているのでしょう。
冷酷さと美貌は自信家の一面を持った楊端和
ヨウタンワは政との初対面のとき、下手な言い分になろうものなら政や信を斬ろうとする姿勢を見せつけています。平地と山界が手を取り合うことが理想とはいえ、政の発言に惑わされず、相手を冷静にみて秘めたる凶暴さを前面に見せようとしている冷酷さを持っています。
さらに、ことごとく男性を虜にし、それでいて寄せつけない姿は常に高い美意識を持っているともいえ、これは宮中に使える宮女たちでも敵わないほどであり、この冷酷さと美貌は女性として圧倒的な自信家といえます。
橑陽の戦いでは自らが囮になって敵を引きつける作戦に出ており、自分の価値をよく分かっているといえます。
春秋戦国時代ライター ソーシーの独り言
楊端和は武力で男たちを圧倒できる凶暴な一面が男勝りといえ、相手を思いやって仲間を責めない優しさを持ち、戦死した仲間を思いやる面を見せています。さらに何事にも動じない冷酷さと高い美貌は自信家ともいえ、現代社会に生きていても、楊端和は男性や女性が一目を置く政治家か経営者になっていたかもしれません。
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